『電柱のないまちづくり』出版1周年記念
~防災と電線類地中化の関係性~

前号にも掲載致しましたが、6月23日(木)当NPOが主催した『電柱のないまちづくり』が出版1周年を迎えたことを受け、記念セミナーを行いました。

 

■東日本大震災を受けて 高田昇理事長


今回の東日本大震災で多大な被害を受けました。被害の中でも原発の問題は大きな原因です。原発問題を深刻化した大きな要因は、外部からの電源が原発から遮断されたことです。
今回理事長が配布した被災地の写真には津波で流され、建物や電柱全てがなくなっていました。もし無電柱化されていたら・・・なぜ今まで日本の地中化が進まなかったのかということを実感しました。外部電源が遮断された原因は鉄塔が折れたことです。過去に鉄塔全てを強化する案が出されましたが、コストがかかりすぎるということで実現されませんでした。電力会社は創電という面で考えが甘かったのではないでしょうか。■震災と電線類地中化の関係性について 関西学院大学教授 室崎益輝先生

■東日本大震災の被害状況



今回の震災では高さ30m、時速100㎞の津波が来ました。それと同時に火災だけでも阪神淡路大震災の規模の被害を受けました。経済被害は25兆円ともいわれ、

阪神淡路大震災が10兆円だったのと比べると被害の大きさがわかります。今回のような巨大震災に見舞われた時大事なのは防災より減災を意識することが重要です。

■減災に一番必要な事

今回のような巨大震災に見舞われた時大事なのは防災より減災を意識す

ることが重要です。

減災が出来る街づくりをするには以下の4つの事を考えなくてはなりません。

 

①   予防医学や公衆衛生を重視した街づくり②地域密着型、コミュニティ主

導の街づくり

③  ソフトが根付いたハード中心の街づくり④CBO、NPO、SBOが連帯する街づくり

ここで無電柱化が関わってくるのが③です。ハードとは街の耐震強度等で無電柱化などを指します。電線を地中に埋めることで破損率が低くなり、電柱が倒れ緊急自動車道を遮る心配もなくなります。

その他無電柱化をすることで景観が向上し、自分の街に愛着を、コミュニティ
少ないというデータが出ています。これは家一軒一軒を強くするのではなく、愛着のある自分の街全体を強くしようとした結果です。
最後に先生は「私は防災の面で電線類地中化は9割賛成です。しかし、地中化した電線が破損した時、復旧する時間がかかるなどまだまだ課題はあります。」と述べられました。電線類地中化が防災に強いということを全国に広めていくとともに、電線類地中化のデメリットを改善していく必要性があると感じました。