無電柱化推進セミナーin宮古島

「台風に強いまちへ」報告

2018年6月10日14時より沖縄県宮古島市中央公民館大ホールで「無電柱化推進セミナーin宮古島 ~台風に強いまちへ~」が開催されました。

前日入りした私たちがレンタカーに乗っていると、車内に流れていたエフエムみやこから「無電柱化推進セミナー」の宣伝が流れてきました。前日は宮古島の南の海上に台風5号があり、強風が吹き、時折ザッと雨が降りました。島の方にとって台風は日常茶飯事のようで、「直撃はしないから大丈夫ですよ」と話されていました。

セミナー当日はうって変わって強烈な日差しと湿気で建物の外に出ると思わず「アツッ!」と声が出るほどでした。午前中は会場の別の部屋で沖縄活動委員会を行った後、会員で宮古島在住の久貝さんと沖縄支部のメンバーを中心に北海道・東京・中部・大阪からのメンバーを加え、20余名で会場設営を行いました。

セミナーの司会はエフエムみやこの與那覇光秀様。セミナーに先立ち、宮古島市副市長 長浜政治氏よりご挨拶がありました。平成15年の台風14号に伴う甚大な被害をきっかけに宮古島で無電柱化を進んでいること、コストがかかるのでどう下げていくかが課題というお話でした。

その後、沖縄総合事務局次長菊地春海氏が壇上に上がられ、「国の無電柱化の取り組み」について解説していただきました。無電柱化推進法が成立し、今年4月に国が無電柱化計画を発表し、今後は自治体が無電柱化計画を出していけるということ、宮古島市もぜひ計画を出してほしいと訴えられました。多くの資料に基づくわかりやすい解説で来場者からも「わかりやすかった」と好評でした。

「沖縄県宮古島地区での無電柱化の取り組み」について沖縄県土木建築部都土木事務所長平良勝一氏が

「宮古島市の無電柱化の取り組み」を宮古島市建設部長下地康教氏が話されました。

15年前の台風では宮古島全域で電力柱が1,014本、NTT柱が1,380本もの倒壊・損傷を受け、宮古島管轄の98%弱にあたる約2万1,400世帯が停電。停電は1か月に及び、被害総額は、沖縄電力が約20億円、NTTが約10億円とのことでした。写真や資料を用いて話され、想像を絶する写真の数々に息をのみました。

最後に理事兼事務局長の井上利一が「無電柱化の現状とメリット・デメリット」について、NPOの活動内容や低コスト手法について、離島などではトレンチャーで溝を掘っていくやり方が有効などと例を挙げ、時折クイズを交えながら話しました。

セミナー後の質疑応答では「電力会社のトランスの小型化などの開発は進んでいるのか」など質問がありました。

会場へは80名の来場があり、事後のアンケートでは回答していただいた全員の方に「非常に良かった・良かった」と評価していただきました。

セミナー後の交流会では泡盛がピッチャーで出てきたのには驚きましたが、「オトーリ」で泡盛を回し続けて飲むという恐るべき(?)風習の一端に触れ、笑顔あふれる夜となりました。

お世話になりました皆様、ご遠方ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。