2018年6月22日(金)、大阪市総合障害学習センターで、NPO理事会、第11回NPO社員総会後、無電柱化推進セミナーが開催されました。

今回は国と大阪府の無電柱化推進計画を中心に、国土交通省近畿地方整備局道路部の森口正一課長補佐、大阪府からは大阪府都市整備部交通道路室道路管理課の稲山貴一技師に講演いただいた。そして、最後に当NPO理事兼事務局長の井上が「無電柱化の最新事例と低コスト製品」を紹介した。

実は、大阪では、2018年6月18日震度6弱の強い地震に見舞われ、大阪北部地域を中心にライフラインがストップする事態に見舞われた。本日公園に来られた大阪府の稲山氏も、前日まで、災害対策に追われていたそうです。そのような中、当NPOのセミナーの講演にお時間を割いていただきました。

また、大阪を中心に、はるばる北海道や沖縄まで全国から総会に出席いただき、その後、今セミナーにご参加いただいた会員企業様、また行政関係の皆様、一般参加の皆様の元、会場の定員ギリギリの97名のご参加をいただきました。

セミナーは当NPOの高田理事長の挨拶から始まった。理事長は、この度の自信を話題にあげ、災害に合われた方にお見舞いの言葉を伝えるとともに、電気がいつでもどこでも使える社会に警鐘を鳴らしました。そのあと、国土交通省の森口課長補佐から「無電柱化の現状とこれから」と題して、平成28年12月16日に交付・施行された「無電柱化の推進に関する法律」から、今年4月に決定した「無電柱化推進計画」の流れまでを資料を使いながら丁寧に説明していただいた。電柱の設備の説明や低コスト手法の取り組み状況なども、聴衆の興味を引いた。

国の無電柱化推進計画とともにそれを前後して、茨城県つくば市や東京都、大阪府が無電柱化推進計画、条例を制定し、芦屋市・大阪市も無電柱化推進計画を策定中と解説された。

続いて、大阪府の稲山氏が講演、大阪府の無電柱化推進計画の内容と負の無電柱化の現状を話された。

全体として、大阪府は無電柱化がなかなか進んでいない。それは、3点の課題があって①電線共同溝の整備コストが高い②埋没管路、地上機器設置スペースの確保が困難③市町村との連携が履かれていないなどがあげられた。

現在の大阪府の予算や現状を考えると、当面3か年で府管理道路役15㎞を着手する計画と説明された(「大阪府の無電柱化推進計画」より)。

無電柱化の必要性は周知していながらも、限られた予算内での着手にとどまっているというのが現実のようだ。

続いて井上事務局長の公園。今回は「無電柱化の最新事例と低コスト製品」という内容。

当NPOの今年のスローガン『無電柱化アクションプログラムを「日本のすみずみまで」』の紹介、当NPOの活動内容から始まり、無電柱化においてネックとなる低コスト化の検討・検証が現状どのように進んでいるのかを、国交省の民間WGでの活動を中心に話をした。

その民間WGでは、会員企業の低コスト手法の製品を定期的に(月一回)発表する場を作り、事例を集めて、低コスト化を現実化、具体化する作業をしている。その成果発表として、2018年3月20日、無電柱化低コスト化セミナーを開催して発表したことなど井上事務局長が丁寧に説明していった。

その他、屋久島プロジェクト、一本でも無電柱化(1本の電柱でも抜柱する)の事例を紹介した。

加えて、新設電柱を抑制するために、住宅開発地で電柱の建柱を抑制する提案もした。日本で年間7万本以上の電柱が増加している背景には、新規住宅開発地での建柱が著しい。その背景を指摘した。

最後にNPOの伊津理事が閉会の言葉を述べられた。その中で今回の大阪北部地震で17万戸のていでんがあった。その後、3時間程度で停電が復旧した。日本の復旧能力は、世界でも有数なのは周知のことだが、私自身は復旧ではなく、停電しないことを目指したい。それには電線類地中化が一番だと感じている。震災の被害が落ち着いてからが大前提だが、大阪府には、ぜひ被害状況を検証してほしい。おそらく無電柱化しているところは、停電していない可能性が高い。ぜひ調べてほしいと無電柱化の必要性の検証を訴えた。