無電柱化推進展でのぶっちゃっけトーク再来 おさらい&延長
9月 15 日( 金) 大阪市総合生涯学習センター 5階 第7研修室
1.荒関本部長より
社員総会(6/22)後の第1回目を経ての今回第2回目。12月に第3回を設け、年明けに当NPOからの提言としてまとめたい。 法律ができたのに進まない。 法律には、「国・地方公共団体が計画的かつ迅速に無電柱化を進める」と明記している。 電力会社は、「無電柱化施工後は、速やかに電柱を抜柱し、トランス等の設備を設置すること。そして国民は無電柱化を理解して進めることに協力するように」と記している。 無電柱化は皆で進めることになっている。 現在、国土交通省は緊急輸送道路を中心に無電柱化を進めている。地方公共団体も然りで道幅の広い道路から進めている。
私は、1点申し上げたい。 28年前の阪神・淡路大震災。神戸市長田区は商店街を中心に実に9割が消失した。緊急輸送道路も大事だが、その中のエリアに電柱・電線が集中していてこのような結果となった。火の手が拡大したら何も残らない。 来るべき南海トラフ地震が発生したとき、結局、今の商店街が消滅する。 そういうことにならないために、無電柱化を進めるためにはそのエリアを担当する地方公共団体が計画的かつ速やかに無電柱化を進めないといけない。
このような中、無電柱化をより進めるためにはどうすればいいか。
・材料をどうすればいいか。
・工法をどうすればいいか。
・法律・制度をどうすればいいか。
皆さんの意見をいただきたい。
2.ぶっちゃけトーク延長戦
7/27に無電柱化推進展で行われたミニセミナーのぶっちゃけトークでの延長戦としてNPO大阪理事より事例を紹介したあと、参加者に意見をいただく。
7/26~28開催、第11回無電柱化推進展の概要報告
〇小型ボックス
・電力と通信を一つのマスに入れることが当初の設計だったが←本当はこれが理想
・ボックスを電力と通信の2マスに分けることになった(図1)。←大阪 →電力会社と通信会社の合意形成がはかられないといけないが、お互い自線を干渉されたくない。
・同じ大阪でも1条に収まっている例もある。
・ケーブルの取り回しのことを考えると深さより幅を広げたほうがいいか。
・地上機器の横に設置してある蓋の横のビスについて →生活道路で車が往来するのでがたつく。
・小型ボックスは露出型(国土交通省が定義)にしてしまうとがたつくリスクがある。埋設型を検討しないといけない。
・岩手県山田町の事例 (図2)
災害復旧工事の一環で無電柱化・小型ボックス工事。 もともとあった側溝→小型ボックス、それに伴い、歩道に新しい側溝を設ける。 利点としては側溝をそのまま使える。有効利用。コスト減につながる。 需要家への引込の際に障害が少なく引き込める。 欠点としてT-25に対応していない。 ➡イレギュラーをどこまで許容できるか。
〇浅層埋設(小型ボックスを含む)…側溝の貫通が必要になる。(図3)
基本は側溝の下に管を通して引き込まないといかないが、側溝の壁面に穴をあけて貫通すると施工効率がかなり上がる。 ➡イレギュラーをどこまで許容できるか。
・浅層埋設や小型ボックスには、浅層埋設用の分岐桝とさばき部が必要とされる。 コスト高の要因になっている。(図4)
鉄枠の片側中央部分が外せるようになっていてケーブルが通せるようになっているが、鉄枠を固定させる枠が通線の障害になったりする。
・工事期間での短縮から「低コスト化」について考える (図5)
・図にあるように管種変更によるコストダウン可能範囲は小さい。施工面でのコストダウンをはかるべき。
・管を変更することによって作業効率がはかられ、結果的に工事費が下がる可能性があるのでトータルで検証したい。
・図5のコスト配分(特に資材)に誤りがある可能性があるので確認する。
〇FEP管について
・軽量で作業効率もあがってよいが、施工時(特に電線共同溝)での課題も残る。
・設計時にFEP管を採用しても最終的には塩ビ管になる場合がある。
・施工完了後、他の水道管やガス管工事の際、油圧ショベル機等で掘削する際にFEP管に当たって断線を招く可能性があるとの指摘から、一旦管路に当たっても破損のリスクが低い塩ビ管を重視する場合があるのでは。
・角FEPは軽くて曲げやすく、通信ケーブルや引込ケーブルを収容するのに最適で、施工の容易な管路材。しかし幹線電力ケーブルは硬く、重く、曲がらない(幹線電力ケーブルの引込には数tの張力を必要とする)。そのためケーブル保護の観点から電力管路には相応の性能規定があり、FEPは必ずしもそれを満たさない。
・FEP管は多条の場合、まとめやすいが、現在では単管+さや管でいける。
・下水管はかなり地下なので問題ないが、ガス管や水道管と干渉しなければFEP管は使えるのか。
・国土交通省が目標とする無電柱化を進めるためには、現在の塩ビ管だけでは、需要が追い付かない。様々な可能性のある管財を検討し、適材適所に使っていくことが必要では。
・現在、掘削重機において3D探査で他の管の接触を回避するシステムが確立しつつある。技術が追い付いてくる可能性もある。
・FEP管メーカーからの情報も提供していただき、適切な無電柱化施工の更なる検証をはかりたい。
〇地中探査・3D化
・無電柱化を進めるために最も注目すべき技術。
・他国に大きく遅れをとっている。
・現在の無電柱化の地中情報は2次元で、しかも正確ではなく、掘ってみたら管にあたるという状態。
・この状況が施工を大きく阻害している。
・3次元の台帳を確立するべき。データベース化して共有できるようにすれば無電柱化施工は革新的に進むのではないか。