12月18日、京都の中心街、テレビでもよく映る四条大橋の西側(四条大橋南詰)を程なくいったところに京都先斗町がある。
先斗町は京都五花街(かがい)の一つ。両手を伸ばすともう少しで手が届くような狭い幅の道路が400mあまり続く。その400mあまりのところに飲食店が350店、お茶屋が25店など全部で400軒もの建物がひしめく。住民も100名あまり暮らしている。
夜中の3時に行われる小型BOXの施工視察会に先駆けて、19時より元・立誠小学校で、京都先斗町についての講演会が行われた。

先斗町講習会(京都市役所、板谷様の話)

まず京都市建設局の板谷様から京都先斗町の施工の概要をうかがった。

京都先斗町は京都市の景観整備地区に指定され、市も積極的に無電柱化事業地域として進められた。平成23年から話が出て、平成25年から先斗町街づくり協議会が結成。平成27年から低コスト手法での工事が進められることになり、平成31年度までに無電柱化が完成する予定である。
板谷さんによると、これだけの狭いところに店が密集しているので、電力量がとてつもなく多い。京都市内で一番の電力消費量とのこと。

続いて京都先斗町街づくり協議会の副会長の神戸さんの講演。自身も先斗町で雑貨店を営んでおられる。

京都先斗町は、京都の繁華街の中でも戦火を逃れ、度重なる鴨川の氾濫にも耐え、昔ながらの店屋が多く残った地域となった。
逆に言えば、その狭い立地が影響して取り残された地域になったともいえる。そんな住民のみなさんも結局、店の電気を引っ張ってくるのに電柱からどんどん電線を引いて、結局先斗町の上空はクモの巣のように張りめぐらされることになったようだ

先斗町講習会(京都まちづくり協議会、神戸様の話)

神戸さん曰く「先斗町の皆さんは、ビールを冷やし過ぎなんですわ」と。
無電柱化に先駆けて、京都市は先斗町を嵐山と同じ美観地区に設定し、看板条例を制定した。美観地区に制定されると、一般地区と違って看板を黙ってつけてはならない。付ける際には京都市の許可がいる。先斗町の住民は、今の先斗町の現状に危機感を抱き、先斗町街づくり協議会を設立し、看板の見直しを始めた。
看板の見直しを図る最初の時、京都市の職員から違法だと指摘された看板が、全体のうちのなんと95%!
「要するにほとんど違法なんですわ」と神戸さん。
それを住民の皆さんと協議して、100%とは言わないまでも、随分すっきりとした通りになった。スライドで写真を見比べても、今のほうが確かにすっきりといい景色になっている。
ところが、看板が撤去され、すっきりとした通りになったと思いきや、今度は上空に広がる電線がかえって目立つようになってしまった。(T塚田)