2018年3月、国(国土交通省)・東京についでの発表

 

大阪府無電柱化推進計画の中身を解説!

基本的には、国土交通省が出した無電柱化推進計画をベースに、今までの実績・これからの計画、課題や展望を示している。以降、発表された資料から主な内容を抜粋して紹介する。

1.無電柱化の目的

1)都市防災の向上

2)安全で快適な歩行空間の確保

3)良好な都市景観の確保

2.経過と現状

1)昭和61年度から平成11年度までの整備⇒国の電線地中化計画に基づき、30kmを整備

2)大阪府電線類地中化マスタープラン(H12.12)⇒バリヤフリー、景観、防災の観点から優先する地域48地区(約84km)を選定。計画期間20年

3)無電柱化の進捗状況

電線共同溝61.6km、共同溝11.7km

合計(延長)73.3km

4)課題

・電線共同溝整備事業の整備コストが高い(約4億円/km)

・管路埋設スペースや地上機器設置のスペース確保が困難

・市町村との連携が図れていない

3.優先的に取り組む箇所の考え方

1)今後10か年で優先的に取り組む箇所を考え、重点的に整備していく。当面3か年で府管理道路約15kmにおいて事業着手(事業中を含む)する。

2)広域緊急交通路(全体延長1,214.5km)のうち、地域防災計画で災害発生時に最重要な重点14路線(延長374.6km)を対象とする。更に南海トラフ巨大地震などの大規模な地震で大きな被害が想定される都心部や沿岸部へ向かう緊急車両の通行ルートを優先する。

重点14路線以外では①現地災害対策本部(府民センター)②広域防災拠点③後方支援活動拠点④災害拠点病院(大阪市・堺市除く)、その他密集市街地事業区内の幹線道路(都市計画道路)において無電柱化を行う。

4.安全で快適な歩行空間の確保

1)バリアフリー基本構想に基づく重点整備地区内の道路

2)歩道がなく路肩が狭小で交通量の多い道路などで歩行者の安全を確保するため、市町村と連携し、地域住民や関係事業者の理解と協力が得られた区間において無電柱化を検討する。

バス路線や通学路で交通量の多い区間

5.良好な都市景観の確保

・大阪府では、来阪外国人旅行者数が平成28年度に900万人を超えるなど年々増加しているなか、百舌鳥・古市古墳群は世界遺産登録に向けた取組みが進められている。このような観光地周辺の道路において、魅力向上の一助となるよう無電柱化を検討する。また、面開発事業等と一体的に整備できる場合はその地区内の道路において無電柱化を検討する。

・面開発事業(土地区画整備事業、市街地開発事業など)地区内の主要道路を無電柱化する。

6.期待される低コスト手法の活用

管路の浅層埋設、小型BOX活用埋設、直接埋設

7.地中化によらない無電柱化

裏配線・軒下配線による手法

8.道路の占用の制限等

道路法37条及び無電柱化推進法第11条により原則新設電柱の禁止、もしくは制限する。

 

 

【参考】

○道路法

(道路の占用の禁止又は制限区域等)

第三十七条 道路管理者は、交通が著しくふくそうする道路若しくは幅員が著しく狭い道路について車両の能率的な運行を図るため、又は災害が発生した場合における被害の拡大を防止するために特に必要があると認める場合においては、第三十三条、第三十五条及び前条第二項の規定にかかわらず、区域を指定して道路の占用を禁止し、又は制限することができる。

 

○無電柱化の推進に関する法律

第十一条 国及び地方公共団体は、災害の防止、安全かつ円滑な交通の確保、良好な景観の形成等を図るために無電柱化が特に必要であると認められる道路について、道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第三十七条第一項の規定による道路の占用の禁止又は制限その他無電柱化の推進のために必要な措置を講ずるものとする。

 

 

9.無電柱化事業には住民の理解と協力が必要。それが得られるよう働きかける。

無電柱化事業を実施するにあたり、行政と関係事業者が協力して、地域住民と協議する場を設けるなど、理解と協力を得られるよう積極的に働きかけを行う

 

10.適切な進行管理

本計画においては、事業の実施や取組み状況を定期的に把握し評価することで適切な進行管理を行う。

また、社会情勢の変化や事業の実施状況、国の無電柱化推進計画との整合性などから、必要に応じて計画の見直しを適宜検討するものとする。