平成30年3月に東京都が「東京都無電柱化推進計画~電柱のない安全・安心な東京へ~」を発表しました。
詳細は http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/content/000034971.pdf で確認できます。
このHPでは内容、特に都の方針と目標について紹介していきます。
無電柱化を推進するための方針と目標
平成30年度から平成39年度までの10年間で取り組む基本的な考え方や方針を以下に示す。
【考え方】
①都道の無電柱化の方式
都道における無電柱化は、電線共同溝方式を基本として整備を推進する。
電線共同溝とは、電線共同溝の整備等に関する特別措置法に基づき、道路管理者が電線共同溝を整備し、電線管理者が電線及び地上機器等を整備する方式である。
②対象地域
都内全域で実施していく。
③優先的に整備する道路
○計画幅員で完成している都道
○新設・拡幅整備を行う都道:都市計画道路の新設・拡幅に伴う無電柱化、その他拡幅事業等に伴う無電柱化
○面的整備に伴う無電柱化
【今後10年の目標】
◎都市防災機能の強化
○現状
重点的に整備するエリア:センター・コア・エリア内(平成31年度末完了)
重点的に整備する路線:環状七号線等の第一次緊急輸送道路(第一次緊急輸送道路については平成36年度末には50%完了、うち環状七号線は100%完了予定)
○方針
重点的に整備するエリア:環状七号線の内側エリアに拡大
重点的に整備する路線:第一次緊急輸送道路を進めるとともに、区市町村の庁舎や災害拠点病院など、災害時や災害復旧の拠点となる施設等を結ぶ路線に拡大
○10年後の姿
環状七号線の内側エリアの整備対象箇所すべての路線で無電柱化事業に着手
緊急輸送道路での整備により防災性が向上
◎安全で快適な歩行空間の確保
○現状
無電柱化を実施する際には、段差の解消や勾配の改善などバリアフリーと一体的に整備
○方針
優先的に整備する道路の無電柱化を進めるとともに、道路の狭い道路での整備手法を検討
○10年後の姿
道幅の狭い道路での整備手法を確立
◎良好な都市景観の創出
○現状
主要な駅や観光地周辺等の美しい街並みが求められる箇所の整備
○方針
主要駅や観光地周辺等の整備を進めるとともに、自然豊かな山間部、島嶼部の整備を検討
○10年後の姿
山間部や島嶼部における整備手法の確立とモデル路線での整備
◎面的な無電柱化に向けた取り組み
○現状
区市町村の促進:区市町村に対する財政・技術支援
街づくりにおける無電柱化:区画整理や再開発等、街づくりの仕組みを活用
○方針
区市町村の促進:「無電柱化チャレンジ支援事業」当の活用によるモデル路線の実施事例を基に実施箇所の拡大
まちづくりにおける無電柱:立地特性や周辺の街づくりと連動した無電柱化が図れるよう制度を見直す
○10年後の姿
区市町村がこれまで以上に主体的・積極的に事業を推進
民間事業者等による取り組みがこれまで以上に展開
◎コスト縮減(技術開発の推進)
○現状
開発事業者と連携し技術開発やイノベーションを促す取り組みを進めている
○方針
これまで以上に関係事業者と連携し、コスト縮減を図っていく
○10年後の姿
整備コスト1/3カット
◎都民理解の促進(事業PR)
○現状
電柱があるのが当たり前という都民の意識
○方針
無電柱化事業の意義や効果を広報・啓発活動を通じて積極的に発信
○10年後の姿
無電柱化による防災性の向上などの効果が浸透し、無電柱化の重要性について理解と関心が深まる