2018年3月21日の春分の日。
昨日の春の嵐がようやく収まった大阪ではあったが、冷たくきつい風は、容赦なくコンクリートジャングルの隙間を通り抜けて行く。
京都方面から事務局職員として参加するため、巨大な大阪駅のコンコースにたどりついた。
このJR大阪駅から歩いて10分ほどだろうか。まさに大阪・梅田のど真ん中にあるこじんまりとしたスペース。そこがディアモール大阪、ディーズスクエアだ。
お世辞でも好天とは言えない日。こんな梅田のど真ん中の人通りの激しいところで果たして人なんて来るのだろうか。しかも「無電柱化の推進」というテーマで。
せめてもの頼りは、元MBSアナウンサーで、今はフリーで活躍されている八木早希アナ目当ての聴衆か?とひとり言を唱えながら、会場へと向かった。
開場30分前に到着した私の目に、驚きの光景が広がった。
開場前から満席!
なんと、座る席がない!つまり満席なのだ。日頃お世話になっている関係者も数人おられたが、立ち見のお客様を含めて、100人近くいたようだ。
立ち見の人があふれるまでに盛況な様子
定刻通り14時に開演。主催者挨拶のあと、当NPOの井上事務局長の基調講演が始まった。井上事務局長は、パワーポイントを使って、防災面や景観面などの無電柱化のメリットを説明。更に諸外国に比べて大きく遅れている我が国の現状を、一般の人でも分かりやすいようにクイズをまじえながら説明した。時折、笑いもとりながら絶妙な語り口で聴衆を魅了していた。
その後のトークセッション。井上事務局長、国土交通省近畿整備局の池田局長、八木アナウンサーが、それぞれの立場で無電柱化を語った。
盛り上がっているトークセッション
池田局長は、国として無電柱化を進める意気込みをお話しするとともに、それを進めるためには、国民の理解と無電柱化工事の更なる低コスト化が必要と説明した。
八木アナウンサーは、海外での生活が長かった経験をもとに欧米と日本との電柱の意識の違い。あって当たり前が、無くて当たり前の意識転換が必要と説く。更に、スミズミにまで繊細な意識を持つ日本人が、なんで電柱・電線に対しては気にならないのかと海外の友人から不思議がられた話など、興味深い話が続いた。
終了後も挙手が続く会場
トークセッション終了後、残った聴衆の質問に一人ずつ答える井上事務局長。私たちNPOが啓発活動をし、それに対して関心をもつ市民の皆さんが増えれば、井上事務局長と池田局長が講演中に語っていた「今のペースだと、無電柱化率100%を達成するのにあと250年かかる」という言葉が、少し早まるのかもしれない。