はじめに
昨年は元旦早々に能登半島地震があり、その後も豪雨を受けると言う大変な災害から始まりましたが、その復旧は未だに10分の1と言われています。
また、今年は阪神淡路大震災から30年の年を迎えます。その被害の大きさは言うまでもなく大変なものです。しかし一方では復興を通じて震災以前の3倍の電線類の地中化が進んだと言う成果があります。その気があれば地中化は可能性があることが実証されたとも言えるでしょう。
また、昨年の特徴として豪雨・豪雪が全国的に見られたことがあります。その結果として電線・電柱・鉄塔への着雪による停電の多発と言う今までには珍しい状況があります。
しかし国の政策として「防災庁」の設置が打ち出され、すでにその準備室が用意されたとのことです。
さらには一極集中の問題への対応として「地方創生」が打ち出されています。これらのことから、全国的に電線類の地中化が加速することが期待されます。
私たちの取り組みをもう一度見直し、地域や現場に応じた最適な解決策としての無電柱化を提案していきます。
2025 年度スローガンとして
「無電柱化は喫緊の社会課題です」
「地域や現場に応じた最適な無電柱化アクションプランをすみずみまで」
を掲げます。
1.喫緊の社会課題に向き合う
1) 防災重視の方針をかかげる
・2024年の元旦に発生した能登半島沖地震の調査で、地中に埋設された配管は、破損することなく、通電していることが国土交通省の調査で分かった。
・1995年の1月17日に発生した阪神・淡路大震災でも地中線の被災率は架空線に比べて極めて低いことが分かっている(架空線の被災率2.4%に比べ、地中線は0.03%)。
・また地震や台風が発生するたびに電柱が倒壊し、電線が断線し、停電がおこる。倒壊した電柱・電線類は緊急輸送の妨げになり、一刻を争う人命救助や火災現場に向かう緊急車両の道をふさぐ。
・防災強化の観点からも緊急輸送道路を中心とした無電柱化推進を全国規模で訴えていきたい。
・無電柱化は災害時における道路や通信網の確保、避難経路の整備、災害対応のスピード向上に貢献します。医療機関・拠点の電源・通信の確保、近年増加している木密地域での火災への迅速な対応などが可能となり、人命の救助に大きな役割を果たします。総務省の発表では防災ヘリの出動が大幅に増える状況下で、レスキューと医療の関係が重要になっている。今後のNPOの活動として、総務省、消防のレスキューとの連携、厚生労働省の医療関係との関わりが重要な役割だと考える。
2)狭隘道路や住民が多く住む地域(ラストワンマイル)の無電柱化推進を考える
・防災重視の観点から、緊急輸送道路での無電柱化は進みつつあるが、住宅地などの面整備での無電柱化は、狭隘な道路が多いという施工面での難しさや、費用が要請者の負担になる場合が多いこと、補助金申請の際の手続きの煩雑さから、電柱の増加が止まらない。住民が多く住む地域(ラストワンマイル)の無電柱化が進んでこそ無電柱化の目的が果たせたと言えるのではないか。
・電柱が減るどころか増え続けている現状にNPOの立場からストップをかけていきたい。
3)景観面での無電柱化を支援・促進する
・全国の国立公園・景観地区で美しい景観を損なう場面への問題提起や、インバウンドの復活と共にオーバーツーリズム対策や「日本の原風景」へのニーズに対応できる無電柱化を促進するといった動きを強める。
2. 無電柱化推進のための連携を強化する
1) 電線管理者との連携強化を図る
・無電柱化に関する課題解決には、電線管理者との協力が不可欠である。電線管理者との連携をさらに強化し、全国規模での協力を促進していく。
2) 引き続き国・自治体・行政機関との連携を強化していく
・自治体が無電柱化の事例を求めている状況に対応するため、成功事例を紹介し、地域ごとの導入促進を支援していきたい。国土交通省や他の行政機関とも連携し、自治体担当者の一助となるようなセミナーや勉強会(東京活動委員会、全国技術委員会OSAKA)で情報の発信を行う。
・特に、無電柱化を推進する市区町村長の会と一般財団法人日本みち研究所とは、セミナー・勉強会・情報共有等で引き続き連携していく。
3. 規制緩和と新技術・工法の工夫を提案する
1) 民間技術の導入と支援
・民間技術の積極的な導入を支援し、規制緩和や新技術の提案を行うことで、技術革新を促進する。
2) 現行制度の検証と改善提案(規制緩和)
・直接現場に関わる民間の立場を活かして、国の部会でも議論が進められている現行制度に関して、更に課題を抽出し、検証を行い、国に積極的に改善提案をする。
民間側溝配管規制の緩和提案 側溝配管の規制緩和を提案し、狭隘道路などの無電柱化の推進に寄与する。
T-25規制緩和と耐荷重検証 T-25規制緩和提案とともに、小型BOX(T-14)の耐荷重についての検証を行い、効率的で安全な工法の導入を提案する。
軽量化とコスト削減 新しい軽量で持ち運びやすい樹脂製の製品を導入し、狭隘道路での無電柱化を可能に。工事期間を短縮し、自治体や関係者の関心を引く。
3) コスト効率と施工の改善
低コスト実現に向けた提案 低コストの実現に向け、規制緩和や新しい工法の導入を進める。特に、歩掛の問題や人件費に注目し、施工業者との協議を通じて実現可能なコスト削減策を検討する。
地上機器設置交渉の改善 現行の試験掘り→電力会社→交渉というプロセスにおける改善を図り、工事の遅延を防ぎ、コスト削減を進める。
昼間の常設作業帯の好事例 昼間の常設作業帯の成功事例を紹介し、増やしていくことが重要。これにより、無電柱化の作業がスムーズに進むことを実証する。
※夏場においては、夜間工事のほうが効率的な場合があるなど、現場の意見を反映させたい。
4. 無電柱化の事例の紹介と普及活動に努める
1) 民間事例紹介の推進をはかる
・無電柱化の成功事例、特に岡山県矢掛町やその他の事例を紹介し、自治体に対する普及を進める。成功した事例を広め、具体的な成果を示す。
・見附市、先斗町、東海市、睦沢町、佐久市、矢掛町、福知山市などでの実例を整理し、検証した上で、低コスト化への課題を解明し、国や関係機関とも綿密に連携して情報交換して、低コスト化手法の普及・拡大に努める。
・当 NPO からも提案した会員企業の技術が認められ、普及しつつあるが、普及するにしたがって適材適所での使用法の検討や情報共有を進めていく。
2) 伝統的建造物群保存地区等優先性の高いエリアでの事業化を支援、促進する
これまでに取り組んだ「重伝建地区」へのアンケート実施を生かしての相談・支援をさらに強め、無電柱化推進の契機につなげる。
重伝建地区・伝建地区の監督官庁は文化庁であることに留意して、連携をとりながら進めていく。
3) 新規メーカーの参入促進をはかるとともに、個人も含めた会員サービスの充実も検討する
無電柱化に賛同いただける企業・個人への会員拡大: 現在、当NPOには、無電柱化の推進に賛同いただいている個人のほか、無電柱化に関わるメーカー、施工関連業者、コンサル、ハウスメーカー、その他関連部品・部材メーカーなど多岐にわたっているが、更に無電柱化に間接的に関わる快適なまちづくりに寄与する企業にも声をかけて、会員拡大につなげる。
対面で実施するセミナーやシンポジウムを実施する 対面で実施するセミナーやシンポジウムの開催により、企業間・個人間のコミュニケーションがとれる土壌をつくる。
NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク 会員募集のページ
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