「無電柱化にっぽん!~全国のまち自慢!~」
2016年施行の無電柱化の推進に関する法律の第10条に、「国及び地方公共団体は、無電柱化の日(11月10日)には、その趣旨にふさわしい行事が実施されるよう努めるものとする。」とあります。
当NPOでは、この無電柱化法の主旨に則り、全国津々浦々とは言えないまでも、無電柱化の進んだ、また進めている場所を中継でつなぎ、皆様と無電柱化の素晴らしさを分かち合いたいと考えています!
イベント後半では、松原当NPO副理事長、森山(一財)日本みち研専務理事、井上当NPO事務局長の鼎談も行いました!

 

●2022年 11月 10日(火)オンライン配信
●一般参加: 47 名(スタッフ、リレー中継者除く)
●全国12箇所からの無電柱化報告(各3分間)

札幌市 札幌地下歩行空間の無電柱化の日パネル展示や無電柱化プラレールジオラマ展示の様子などを中継
〇函館市 函館市役所で展開している無電柱化パネル展の様子を中継
〇つくば市(茨城県) 日本で初めて「電線を建てさせない条例」を制定(下はつくば市内の写真)
制定まで苦労したが、制定後は、やる・やらないの議論はなく、どんな開発も無電柱化が当たり前として街並が保たれている。

〇忍野村(山梨県) 忍野八海から中継。天然記念物である「忍野八海」は、富士山の伏流水に水源を発する湧水池で、富士信仰の古跡霊場や富士道者の禊ぎの場の歴史や伝説もある。富士山域を背景とした風致の優れた水景を保有する「忍野八海」は、世界遺産富士山の構成資産の一部として認定されました。その美しい景観を保つために裏配線などの手法を使って無電柱化している。「百聞は一見に如かず」。その厳かで神秘的な湧水池を訪ねてみてください(上記写真②)
〇東京都豊島区巣鴨 地中探査・3Dマップ作成をして、できるだけ掘らない無電柱化を心掛ける。豊島区と東京電力が協定締結。東京電力が主体となって工期短縮と複数入札を省略化(上記写真④)
東海市(愛知県) 伝統のある山車を引いた祭りの際に架空に広がっている電線が山車の上部にあたって邪魔をし、山車の歩行の際に、大きな電線よけの棒を使って電線を押し上げてよけるような状態だったのを無電柱化で解消。狭小道路においては中部電力と共同で小型ボックスを採用。電線、通信線、ケーブルTV を入れて蓋。地上機器は神社や町内会敷地に(下は東海市の写真)
〇芦屋市(兵庫県) 市内の中学校前の無電柱化を官民連携事業で進めた。関西電力とNTT が単独地中化。約200m に対して市の負担は約 1,000 万円で済んだ。地上機器は学校敷地に。6か月で完了(上記写真③)
〇京都先斗町 狭いところでは140cmくらいしかない狭隘道路で無電柱化が実現。中継地では、お地蔵さんがある緩衝地帯に計5台の地上機器を置いている。このスペースに5台も置けたのは、本来地下埋設部分には人が入れるような大きな地上機器桝が存在するが、関西電力の技術力によって省スペースでの設置が実現した。この技術がなければ、今日の先斗町は存在しない(上記写真⑤)
矢掛町(岡山県) 矢掛町は、山陽道の宿場町として栄えた歴史のあるまちで、矢掛町矢掛宿伝統的建造物群保存地区が重要伝統的建造物群保存地区に選定されました(R212/23)!官民連携事業で500 メートルを一年かからず安価に完了。道路の側溝に電線と通信線を配線(下写真)。道路の裏にソフト地中化でトランスを配置
〇真庭市(岡山県) 新国立競技場の設計・デザインを手掛けたことで有名な隈研吾氏が建築した岡山県蒜山高原のサステナブルな新ランドマーク〈GREENable HIRUZEN〉を背景に中継(写真上)。真庭市も矢掛町と同様に官民連携事業で行われた。短期間・ローコストでの無電柱化が実現した(上記写真➀)
〇福岡市  福岡市は、充実した都市機能に加えて、海や山、豊かな自然が身近にある。そんなコンパクトさが大きな魅力の一つです。福岡市の東部には、青く美しい海に囲まれ、金印や志賀海神社などの歴史資源を有する志賀島、西部には美しい海岸線やフォトスポット、おしゃれなカフェ等が集まる北崎エリアがあり、市内外から訪れる多くの方が、海辺を楽しみ、癒されています。「Fukuoka East & West Coast プロジェクト」は、 “Work Hard, Play More Hard”、仕事も遊びも全力になれるまちを目指し、この美しい志賀島・北崎地区の海辺の魅力をさらに高めていくことで、地域の観光振興・活性化を推進します(福岡市HPより)。市街地での無電柱化が進んでいる中、観光スポットでの無電柱化が進んでいることを紹介いただきました(下は「Fukuoka East & West Coast プロジェクト」のマークと現地の中継写真)

 


〇沖縄・首里城周辺地区 福岡の夕方での西日がまぶしい中継から一転して、沖縄では雨の中の首里城周辺地区の中継となりました。令和元(2019)年10月31日未明に首里城正殿内部から発生した火災消失からの復興が進む中、その周辺の道路では無電柱化が進んでおらずこれからに期待したいとの報告がありました。

また沖縄の伝統行事である那覇大綱挽行列の旗頭でも行進するたびに電線をよけなければならず無電柱化の実現が待たれるという話題も提供いただいきました。(写真下)

〇今後の改善点
・札幌(地下)と蒜山(郊外)の通信速度。通信環境を見据えた中継を今後心掛けたい。
・映像の再開で数か所手こずった。テストの際はうまくいったが、出番まで通信を切って再開するとうまく入れないケースが生じた。配信継続すべきだった。
・11月の中継だったので、日が落ちる時期を考えると1時間ほど早めにスタートしてもよかったかもしれません。

〇話し手  松原隆一郎、森山誠二、井上利一
〇骨 子
・2023年 4 月にレベニューキャップ制度を開始 →電力会社が架空線よりも約10倍コストがかかる無電柱化に対してやる気をおこさせる政策を
・国が無電柱化の道路長を決定
・主要電力10社が無電柱化の目標距離数(共同溝方式・単独地中化それぞれの目標値)を5か年計画で示したことは大きい。
・配電と通信の事業者が技術力を発揮して独自に施工
・努力した分(コストを下げた分)だけ利益が出る構造に
・スピードアップと低コスト化を図る
・実施主体が道路管理者から電線事業者に代わる
→道路管理者は、無電柱化事業実施に対して、管理・サポートする立場であることが理想
→防災面での無電柱化もあるが、東南アジア諸国の主要都市では急速に無電柱化している。景観面から国が威信をかけて電線をなくすという姿勢をもっている。
・諸外国(台湾・台北市、フィリピン・セブ島)から学ぶ無電柱化→民間の技術導入につなげたい。

鼎談の様子。左から森山氏、松原副理事長、井上事務局長

 

 

 

 

映像記録をYouTubeに限定公開しました。適宜、ご視聴下さい。

列島リレー中継7分版   https://youtu.be/MXgfhi6Ozj0
列島リレー中継10分版  https://youtu.be/BYKnlSkuIoQ
列島リレー中継11分版  https://youtu.be/U72CH6-KI7I
列島リレー中継フル(32分)https://youtu.be/iBiZMuW1rM0
鼎談  無電柱化を前へ   https://youtu.be/2whgtNwpvt4