2022年7月20日(水)、(一社)日本能率協会・JMA主催のメンテナンスレジリエンスTOKYOの国土強靭化セミナーにて、当NPOの井上事務局長が「補助金もらって無電柱化のまちづくり」というタイトルで講演をしました。
以下、その内容を簡単に案内させていただきます。

 

令和3年度新設電柱調査結果概要を踏まえた新設電柱抑制の方策
~市街地開発事業等における無電柱化費用負担の見直し~
 

国土交通省は新設電柱抑制の方策として、関係省庁と連携して、市街地開発事業等における無電柱化費用負担の見直しを公表した。
具体的な内容は以下の通りである。
 これに基づき、地上機器・電線類等の費用は、約款改定により電力事業者が負担することとなった。主要電力10社の約款改定の発表は、今年1月1日からと資源エネルギー庁から発表された。
更に新規住宅開発地の無電柱化を後押しする制度として、国が「無電柱化まちづくり促進事業」を創設。こちらは、従来、無電柱化推進を担ってきた道路管理を担当する道路局ではなく、市街地開発を担当する都市局が実施していることが注目される。
この制度を使うことにより、 3000m未満の場合は、民間業者は5分の1の負担で済み、3000m以上の場合は、民間業者は3分の1の負担で済むことになる(下図参照)。
ただしこの制度を利用するためには、各自治体が「無電柱化街づくり促進計画」を作成する必要がある。この計画は従来の「無電柱化推進計画」と別個のものとして作成しなければならない。 

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【経済産業省資料】一般送配電事業者10社からの託送供給等約款及び最終保障供給約款の変更届出等
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国交省都市局資料無電柱化まちづくり促進事業の概要の資料 

 この制度ができて間もないので、「無電柱化まちづくり促進計画」を立てた自治体はこれまではないのですが、この制度より前に東京都が全国初の「宅地開発パオロット事業」を設けています(2022年4月1日発表・東京都 都市整備局)
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東京都では、無電柱化を推進するため、令和2年度から3年度まで宅地開発時を対象とした「宅地開発無電柱化パイロット事業」を行ってきました。 今年度から、宅地開発時の新たな電柱設置の防止を本格的に進めていくため、パイロット事業を拡充し、名称を新たに「宅地開発無電柱化推進事業」として実施していくこととしましたので、お知らせします。 

◎拡充の概要
補助対象の限度額を2,000万円とし、国の補助と合わせ補助額を引き上げ
(国土交通省の補助「無電柱化まちづくり促進事業」(今年度から創設)との連携)
道路延長1メートル当り20万円としていた補助限度額の設定を廃止
補助対象として、公道における管路の管理に、自治体管理方式等を追加
事業年度を令和6年度まで(事業期間を2年間から3年間に)延長

事業概要
1. 補助対象者
開発行為の許可を申請する者で、開発事業を実施する者
2. 対象事業の条件
都内で開発許可により新たに道路を築造する戸建ての宅地開発
開発区域面積が3,000平方メートル未満
令和6年度末までに工事が完了するもの
(新規の募集は令和5年度まで)
3. 補助対象となる費用
無電柱化の設計費・工事費
4. 補助限度額等
補助対象の限度額は無電柱化に係る総事業費2,000万円まで
総事業費の5分の4を補助
(電線、地上機器の費用は電力会社負担) 

 井上がかかげる無電柱化推進に必要なこと
1.民間活用
・施工の自由度を上げる→民間が施工できる体制
・材料の自由度を上げる→民間SWGでの低コスト手 法・製品を発掘活用
民間事業者への道路占用を一時的に認める
・資格制度等、施工業者の育成
補助制度の拡充
・各自治体の予算確保
・無電柱化まちづくり促進事業の裏負担を事業者が負担する仕組み
・開発事業者へ直接補助
・開発によらない無電柱化についても工事負担金を無くす
・既成市街地での無電柱化への助成
3.法整備
・開発地での無電柱化の際の構造物移管の標準化
・開発時の無電柱化を義務付け
・無電柱化条例の制定(現在4自治体のみ)を増や
・電線管理者の協力体制の構築
4.市民の理解醸成
・特に現場では地元の住民の理解と協力は必要である。工事に対する理解と協力は必須である。工事に対する理解を得るには、広く国民に無電柱化のメリットを周知するとともに、工事への協力も要請する必要がある。
・無電柱化の日の盛り上げ