小学校で出前授業 「無電柱化からみた街づくり」を行いました!
対 象:札幌市立伏見小学校 5 年生 (30 名@4クラス=120 名)
日 時:令和5年1月 31 日(火)5・6時間目
授業内容:
【座 学】街と人にやさしい無電柱化
講師:NPO 井上事務局長(2クラス×2交替)
【体験 1】札幌の無電柱化どこクイズ
講師:大部主任研究員(1クラス×4交替)
【体験 2】プラレールで無電柱化街並み体験
講師:岩田主任研究員(1クラス×4交替)
主 催:NPO 法人電線の無い街づくり支援ネットワーク北海道支部
協 力:国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所 地域景観チーム
この度、NPO 法人電線のない街づくり支援ネットワーク北海道支部の主催で、国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所 地域景観チームのご協力もいただき、札幌市立伏見小学校(小学5年生)にて、無電柱化出前授業を行いました。電力や通信は必要であることを前提としつつ、災害や景観・環境などの課題を「見て・体験」してもらい、電線・電柱方式が当たり前ではないことの「気づき」を授業を通じて学んでもらいました。クイズや体験の授業を通し、楽しんでもらいながら無電柱化についての子ども達への理解を深めてもらうことができました。授業の最初と最後に、電線・電柱の賛否について同じ質問を投げかけたところ、「あったほうが良い(43%→9%)」、「無いほうが良い(24%→89%)」と授業後に大きな変化がありました。
データ提供:NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク
■ 札幌市での初出前授業はエネルギー全開!
NPO 法人電線のない街づくり支援ネットワーク 理事兼事務局長 井上利一
朝大阪を出て、札幌市内の小学校に入ったら、校庭は真っ白な一面の雪でした。当日は寒波が来ていて、昼間でも氷点下の寒さでした。しかし、教室に一歩入ると、汗ばむような温かさ。そして、子供たちの元氣な声と、美味しそうな給食のいいにおいが広がっていました。札幌の子供たちはどんなリアクションをしてくれるのか、非常に楽しみでした。ただ、私の勝手なイメージですが、札幌の小学生はおとなしいのかなと思っていました。ところがどっこい、質問に対しても、何人もの子供たちが手を上げて発言してくれ、元氣いっぱいで、びっくりしました。手がなかなか下がらず、次のセッションに移るのに苦労しました…。最初は電柱があることにそれほど違和感を持たなかった子供たちが、授業の中でディスカッションを重ねることで、だんだんと無電柱化の重要性を理解してくれるようになり、最後にはほぼ全員の子供たちが電柱は要らない!方に手を挙げてくれました。改めて、無電柱化出前授業の重要性を再確認するとともに、この活動をさらに広げていくことが無電柱化推進の一助になると確信しました。北海道は北海道支部の熱心な活動もあり、全道で無電柱化に対する意識が高まっています。各行政機関や寒地土木研究所も熱心に取り組まれていて、全国でも無電柱化に熱い地域と言えます。今後も、地元の小学校や行政とも連携しながら、この活動を継続していくことが必要だと改めて感じる良い機会をいただきました。ありがとうございます!
■ 無電柱化出前授業を終えて
国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所 地域景観チーム 主任研究員 大部裕次
出前授業に参加させていただき、大変ありがとうございました。NPO 伊東さんはじめスタッフの方々、学校の受け入れ体制を整えていただいた斉藤先生や浜辺先生、そして何より授業に楽しんで参加してくれた5年生の子ども達に感謝です。今回私が用意した教材は、「札幌の無電柱化どこ?クイズ」です。札幌市中心部では区役所・病院・国道等(災害対策)や駅周辺・観光スポット等(景観対策)で無電柱化が多くされており、クイズを通して自分たちの街を考えてもらおうと企画しました。難易度は高めだったのですが、皆きちんとした考えを持っており、的確な答えを出してくれたのは驚きでした。反面、自分たちの学校や家の近くでは無電柱化がまだまだ進んでいないことが、多くの子ども達の疑問に残ったかもしれません。今回の出前授業を通して、無電柱化の良い面、また課題も多くあることについて、これからの街づくりを担う子ども達が考えるきっかけになれば幸いです。このような取り組みを継続・拡大していけるよう、今後も努力していきたいと思います。
■無電柱化出前授業を終えて
国立研究開発法人土木研究所 寒地土木研究所 地域景観チーム 主任研究員 岩田圭佑
まずは、出前授業を受け入れてくださった伏見小学校の先生方に深く御礼申し上げます。コロナやインフルエンザの流行で通常の学校行事を予定通り進めることも難しい中で、このような機会を頂くことができたことに感謝して、準備を進めました。NPO 北海道支部や寒地土研にとって、出前授業を実施するのは初めてでした。座学では井上事務局長の力を借りつつ、北海道での取組みを活かし、自分たちでやれることは何かを考えて体験型の学びの場を設けました。私はプラレール模型のコーナーを担当しました。えんぴつ電柱を取り除いた模型を覗かせてみると、子ども達が「ロンドンになった!!」と言っていました。電柱が倒れて Gopro Car とぶつかった時にはみんな笑って大はしゃぎでしたが、そこで地震の話をすると急に神妙になり、何かを考えている様子でした。楽しみながら大事なことを学ぶことができたと思います。座学と体験を交えたことで、子ども達それぞれの興味に合わせて学んだり、相互で新たな気づきを得たりしているように感じました。「この授業を忘れません」という嬉しい感想もありました。私も忘れません。この授業をやってよかったと感じています。座学と体験を結びつけながらもっと良い授業ができるよう、講師側も腕を上げたいと思います。また同じような機会があれば、NPO メンバーや若手の関係者にも、是非講師を体験してもらい、この取り組みの輪がますます広がっていくことを願います。
■北海道支部 第一回出前授業を終えて
NPO 法人電線のない街づくり支援ネットワーク 北海道支部 事務局 伊東里枝子
2023 年 1 月 31 日、約 1 年半の準備期間とたくさんの方のご協力を経て、北海道支部第一回目の出前授業を札幌市立伏見小学校にて開催いたしました。コロナ禍の影響による延期で時間が得られたことにより、結果中身の濃い授業内容を企画することができたと思っております。特に、(国研)土木研究所 寒地土木研究所 地域景観チームの大部様、岩田様のお力添えなくして、今回の成功はなかったと大変感謝しております。また当日は、NPO 顧問である北海道大学 萩原教授のご紹介で工学部の学生2名にもご協力いただきました。私たちもお二人から刺激を受けたのですが、終了後、萩原教授より「(両名)いろいろ勉強になったとのことです。いい経験をさせてもらえたようで、お礼申し上げます。いろんなこと、やるとプラスになるようです。今後も、よろしくお願いします」ととても嬉しいご連絡をいただけ、今後、このような機会を増やせたらと感じております。
今回、5 年生(約 120 名)を対象に出前授業を行いましたが、驚くほど積極的に授業に取り組んでくれたのが印象的でした。授業後の感想カードにも現れていると思いますので、ここに一部を紹介させていただきます。
・私の家のすぐ目の前には電柱があって少し歩道がせまくなってしまっているし、電線にひっかかってあぶない木の枝をよく切り落としているので、無電柱化が進んでくれるととてもうれしいです。無電柱化はみんなの安心安全にもつながっているので、とてもすごいことだと思いました。
・電柱がないほうが空が見えやすいと自分は思った。地層がずれたときの対策はしているのか気になった。電柱にぶつかって眼鏡が壊れたことがあるから無電柱化してくれるとうれしい。気になっていた地上機器についても分かれてうれしかった。
・授業でプラレールを使っていてとても分かりやすかったです。この授業のことはわすれません。クイズがむずかしいのもあったけど全問正解したからたのしかったです。
最後に、この機会をいただきました伏見小学校の皆さまに感謝を申し上げるとともに、この経験を次につなげられるよう活動していきたいと思います。ご協力、ご参加いただきました皆さま本当にありがとうございました。
最後に、無電柱化出前授業の翌日に、事務局の伊東さんに伏見小学校、斉藤先生よりメッセージをいただきましたのでご紹介させていただきます。
◆斉藤先生からのメッセージ
おはようございます。昨日はありがとうございました!子どもたち大喜びで、担任たちも大満足でした。しばらく職員室で話題になっていました。まったく電柱を意識していなかった子どもたちがまちの景観や防災などの視点で無電柱化事業を捉えることができるようになりました。ものの見方や考え方が広がったと思います。また、担任たちとも話していたのですが、昨年度検討していた4年生での実施よりは、5年生のこの時期の実施がとても良かったと思います。いろいろな学習経験を積んでいるので、それらと結びついた子も多くいたように感じました。いずれにしましても、たくさんのご準備ありがとうございました。皆様にもどうぞよろしくお伝えください。
◆無電柱化出前授業を募集しています!
全国の小学校にうかがいます!!
※場所によっては交通費をご相談させていただく場合があります。
問い合わせ先:NPO 無電柱ネット事務局 塚田まで
TEL:06-6381-4000
メール先:nponpc.t@gmail.com