6月8日に無電柱化を推進する市区町村長の会、定期総会が開催されました。当NPOが業務委託でお手伝いをさせていただき、井上事務局長が当日の司会を務めました。そのときの栁田会長(佐久市長)、顧問の小池都知事の挨拶をまとめてみました。一部、ご紹介させていただきます。

◆栁田清二 佐久市長(無電柱化を推進する市区町村長の会 会長)
開会の挨拶開会に先立ち、WEBも含めて多数のご参加をいただいている会員の皆様、並びに会場にてご臨席いただいている国会議員の皆様、関係省庁の皆様に厚く御礼申し上げます。
無電柱化を推進する市区町村長の会は、平成27(2015)年に設立され、令和5(2023)年5月18日現在、299の自治体の加盟をいただいています。
こうした中、平成28(2016)年12月に悲願でもありました無電柱化の推進に関する法案が本日ご臨席いただいている議員の皆様が超党派でご尽力いただき施行・成立されました。令和3年5月には、第8期無電柱化推進計画が策定されました。
昨年4月には、関係省庁において新設電柱の抑制に関する取り組みがまとめられました。更には本年4月からレベニューキャップ制度がスタートし、各電力会社の事業計画に無電柱化の目標が位置付けられるなど、無電柱化に向けた取り組みが加速度的に進められています。
本会結成後、歴代の会長のもとで要望活動をしていったことで規制緩和や技術導入がはかられ、今ようやく無電柱化の基盤が整いつつあります。
そこで、今、我々が行うべきことは、自治体が主体となって企業化していくことだと思います。
無電柱化が旬のときであることをお伝えできるように勉強会を開催しています。昨年は、東北・仙台市(WEB)、四国・松山市(会場・WEB併用)や東海・小牧市(会場・WEB併用)で勉強会をさせていただきました。今年は秋に北海道の登別市で開催したいと思っています。
無電柱化には多くの課題・問題を抱えていますが、その課題・問題の解決に向けて最先端の政策を行っているのが東京都で、都道府県で初の無電柱化推進条例を発令したのも東京都です。小池東京都知事も後ほど会場に来られる予定です。また今回の総会で、元国土交通省道路局長で無電柱化のご担当をされていた池田香川県知事に本会顧問に就任していただきました。東京都のような先進的な施策を参考にし、国の制度を利用しながら、無電柱化の取り組みを加速度的に進め、本会の目的である、安全で快適な魅力のある地域社会と豊かな生活の形成に向けて、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。

◆小池百合子東京都知事(無電柱化を推進する市区町村長の会 顧問)
本日は久しぶりに皆さんと顔を合わせて大変うれしく思っています。
無電柱化の推進に関する法律の際は、色々仕込んで、本日お集まりいただいた先生がたに超党派で整えていただきました。
その後、東京都で無電柱化推進条例をつくりました。本日お集まりの市区町村の皆様にはモデルにしていただいて、よりよい風景が広まるようにしていっていただきたいと思います。今の景色がいいという方も一方ではいますが、防災面などを考えるとやはり無電柱化していくべきだと考えています。
日本の道路の総延長は120万、130万kmです。その8割を占めているのが市町村道です。これらの道路は道幅が狭いケースがほとんどで、様々な工夫が必要です。東京については、東京2020大会を控えての施策で、センターコリア内の都道のほぼ100%無電柱化達成をしました。その後はエリアを拡大し、環七エリア内の無電柱化を進めています。
それと今年は関東大震災発災100年に当たります。特定整備路線を拡充して、強靭化・防災、安全、そして風景の観点から無電柱化を進めて参ります。都道に関しては、2200km、市区町村道はその10倍の22000kmあります。それを着実に無電柱化していくためには戦略的におこなっていかなければなりません。
更に東京都には人が居住している島が11ありますが、色々な島を少しずつ無電柱化するのではなく、一つの島を決めて全て無電柱化していくことから考えています。以前の台風15号の被害では、暴風によって飛来物が生じ、それが断線を招くケースが多くありました。そこで停電を無くす対策としてまずは一つの島全てで(停電を減らすのではなく)停電が起きないようにしたいと考えています。この施策に対して各島から手をあげていってもらおうと考えています。
以前、東京大学の松原隆一郎先生と共著しました『無電柱化革命』という本を出版しています。是非読んでみて下さい。
今年は、台風が5月に発生し、それが6月に入って集中豪雨につながるなど国土強靭化の重要性が高まっています。もちろんその土地土地や人口密集の観点から防災の方法を考える必要はありますが、無電柱化の果たす役割は高まっています。
また、毎年、東京ビッグサイトで開かれている展示会などもイノベーションの観点から非常に大事だと思います。アジア諸外国の経済発展は目覚ましく、高いビルがニョキニョキと建っています。ただそこには電柱がありません。街づくりにおいて最初から電柱が無いことを前提に街がつくられています。
11月10日は「無電柱化の日」です。「111」を3本の電柱に見立てて「0」にする。この「無電柱化の日」を改めて啓発していただきたいと思います。

◆その他の様子
全体を6つのパートに分けて編集、整音、ノイズ除去し、YouTubeに限定公開しました。
1 挨拶  https://youtu.be/8PmF1UAoKsU
2 総会  https://youtu.be/hxvr62bjSYU
3 国土交通省  https://youtu.be/mAyaDIbgcFY
4 資源エネルギー庁  https://youtu.be/MMdTMoIKWXM
5 総務省  https://youtu.be/orlElvKc73Q
6 事例報告 森山顧問  https://youtu.be/QTdsAcjp9Kg

◆本会で示された決議(案)
02 令和5年度定期総会議案書【決定版】-13

◆無電柱化を推進する市区町村長の会とは
当NPOのホームページでご紹介させていただいています。
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