無電柱化について街頭インタビューしてみました!
私はこの度NPO法人電線のない街づくり支援ネットワークにインターン生として参加している山本です。9月下旬に数日間、大阪府南部に位置する私の地元の河内長野駅前、堺東駅前で「無電柱化」についてのインタビューを街頭で実施しました。
今回街頭インタビューを実施した目的は、「無電柱化」に対する人々の認知度や関心を把握する為でした。「無電柱化」を今後推進していくためには、「無電柱化」という言葉を知ってもらい関心を持ってもらうことが重要です。そこで、現在どの程度の人々が「無電柱化」という言葉を認知しているのか、その現状を把握することを目的として街頭インタビューを実施しました。
また今回インターネットでのアンケートではなく、街頭インタビューという形式を選択した理由は住民に直接質問することで、実際の認知度を把握するとともに、住民の生の声や率直な意見を収集する為でした。実際に今回の街頭インタビューではそういった声をたくさん収穫できたと思います。
今回は使用するチラシを事務所で作成し、そのチラシにあるQRコードをスマートフォンで読み込んで貰い、アンケートをする形式をとりました(下図参照)。
声をかけた人数の合計は約300人でした。
最初は駅前を歩いている方を中心に声をかけていましたが、ほとんどの方に答えてもらえなかったため、依頼する層を座っている方や、何かを待っている方中心に変更しインタビューを実行しました。
やっていく中で駅前よりも商店街の方が回答してくれる方が多いなと感じました。
各調査の質問目的について
問1では「無電柱化」という言葉が住民にどの程度認知されているのかを把握し、今後の「無電柱化」を推進していくための現状を明らかにしていく意図をもって質問を設置しました。
問2には住民が「無電柱化」に対してどの程度の関心を持っているかを把握し、認知度だけでなく、「無電柱化」そのものへの関心を明らかにする意図があります。
また、問3には住民が「無電柱化」をどの程度優先して取り組むべき課題だと考えているのかを把握する目的があります。
また任意の質問項目として設置した記述式の『あなたの身近な場所に「無電柱化」して欲しい場所はありますか』という質問では住民が「無電柱化」を必要と感じている場所や地域を把握し、実際の生活においてどのような場所で「無電柱化」が求められているのかを明らかにするために設置しました。
最終的な結果としては18人から回答を得る事が出来ました。
アンケートの結果では18人中12人の方が『「無電柱化」という言葉を聞いたことある』と回答し(問1)、「無電柱化について関心がある」と答えていた方が9人以上が回答、また「無電柱化の優先度はどのくらいだと思いますか?」という質問では18人中12人が5段階中3以上と回答しており(問3)、私が思っている以上に「無電柱化」という言葉は世間で知られており、関心がある問題だと感じました。
このアンケートでの一番の収穫は、「無電柱化して欲しいと思う場所はありますか?」という質問で地元住民が挙げる具体的な場所が知れたことだと思います。
回答では以下の場所が挙げられました。
住宅地
細い道や歩道
高野街道
道幅の狭い道路、交通量の多い道路
一軒家の住宅街
河内長野駅からラブリーホールまでの道路などがあげられました。
下の画像は河内長野駅前からラブリーホールという会館までの道路の実際の写真で、自分自身も自転車でこの道を通行するときに怖いなと感じることが多かったです。

「無電柱化」という言葉は1980年代から存在したと言われており、その後2010年代後半~2020年代くらいから広まり始めたと言われています。
この10年間で、ある程度の方が認識するようになったとも言えます。
調査結果から分かったこと
今回の調査での回答者からは「無電柱化」という言葉を知っている人が一定数存在するだけでなく、「無電柱化」に一定以上の関心を持ち、取り組む必要性を感じている人がいることが分かりました。
一方で今回は回答者数が18人と限られているため、今回の結果だけで住民全体の認知度や関心度を判断することは難しいです。また関心度や優先度の評価には3という中間の選択肢も含まれているため、無電柱化に対する関心や認知度が非常に高いとは結論付けることはできません。
今回の調査を通して、「無電柱化」推進のためには言葉の認知度を高めるだけでなく、その必要性やメリットを伝え、住民の理解や関心を高めていく必要があると感じました。
実際に街頭インタビューを行ってみた感想としては
街頭インタビューは思っていたよりもはるかに難しいなと感じました。
当初、私は駅前を歩いている方へのランダムなアンケートは50人に声を掛ければ一人くらいは答えてくれるだろうと考えており、一日10人以上を目標にしていました。
しかし、実際は300人に声をかけて一人が答えてくれるかどうかというレベルで、全く回答を回収できませんでした。
まずアンケートの趣旨を説明する最初の質問で「無電柱化」と聞くと、少し警戒されることが多かった印象です。
また今回のインタビューは依頼する形が、スマートフォンでQRコードを読み取って、そこから答えてもらうという形だったので、声をかけて立ち止まってもらっても、高齢者の方はやり方が分からず、答えてもらえそうで答えてもらえないというケースが多くありました。
また個人情報が流出するのではないかという懸念から断られることもあり、スマートフォンを用いたアンケートと聞くと身構える人が多いのかなと感じました。
そのためアンケートを依頼する対象を歩いている方中心から、座っている方や、何かを待っている方を中心に変更し、「無電柱化」という言葉を今までに聞いたことがあるかというYES・NOで答えることが出来る質問を織り交ぜたりもしました。
この質問は、歩いている方でも答えてくれるため、年齢層が偏らないようにするよう色んな世代の方に声をかけるようにしました。
また最初の自分の声かけを見直し、なるべくアンケートの趣旨を簡潔に、素早く、噛まずに伝えることを意識し、実際に声をかけるシチュエーションを想定して家で練習し、改善を図りました。
その他にもアンケートの依頼を丁寧にし過ぎないという事を意識しました。
依頼することを丁寧にし過ぎると相手がアンケートを断りやすくなるためです。
威圧するのはだめですが、丁寧にし過ぎることもアンケート依頼にとっては難しくなる要素だと考えました。
また街頭インタビューではアンケート依頼だけでなく、「無電柱化」という言葉をいままでに聞いたことがあるかというYES・NOで答えることが出来る質問も折り混ぜながら依頼をしました。
この改善の結果、徐々にアンケートに答えてもらうようになり、最終的に18人の方から回答を得ることが出来ました。
また『「無電柱化」という言葉を今までに聞いたことがありますか?』というYES・NOで答えることが出来る質問には53人の方に回答をしてもらい、そのうちYESと答えた方は31人でした。YESと答えた方は若い世代が少なく、40代以上の方が多い印象でした。しかし過半数が聞いたことがあると答えたことは私が当初していた予想と違い、驚きました。
今回の街頭インタビューでの反省はいろいろありますが…
一番初めに出てくることは紙媒体を用意しなかったことです。
せっかくアンケートで立ち止まってもらったのに、やり方が分からず断られてしまうことが多く、とても勿体なかったと感じます。
またあんまり回答して貰えない時間帯に場所を変えずに、そのままその場所でアンケートをし続けたことも勿体なかったと思います。流れを見ながら、臨機応変に立ち回ることが回答獲得にはとても大切だと要素だと学びました。
私はこの街頭インタビュー企画で目標にしていた回答人数には届きませんでしたが、声をかけた人に「無電柱化」という言葉を少しでも残すことができたことには大きな意味があったと考えます。
普段の生活の中では意識することはない言葉かもしれませんが、今回のインタビューをきっかけにその人がいつか街の風景を見たときに「無電柱化」という言葉を思いだすかもしれません。
そう考えると、今回の街頭インタビューは回答人数だけでは測れない意味のある活動だったと感じました。
今回の調査から得られた学び
今回の調査を通して、街頭インタビューでは、単に質問を用意するだけでなく、通行人に協力してもらう工夫が重要だと感じました。実際に声をかけてみると足を止めてもらうこと自体が難しく、相手が安心してアンケートに答えてもらえるように、名札や腕章をつけることや、自分のスマートフォンに入力して貰うなどの工夫が必要だったと感じます。また回答を逃さないために紙媒体を事前に用意しておく必要もあったと感じます。どのようにして相手から信頼してもらえるかを考え、工夫を施すことが大切だと学びました。
インターン担当の塚田より
当NPOのインターンは、自らが考え、行動し、結果を振り返ることを目標としています。
時には、私のほうから提案することもありますが、今回の山本君は、自ら考え、行動し、結果を振り返るという当NPOのインターンの主旨に合った企画に挑んでいただけたのかなと感じています。
彼の企画の中で、特に印象に残ったのは、地元のひと(身近な駅前)でアンケート調査をしたいと言ってこられたことです。
やってみての結果はなかなか難しいところはありましたが、自身が住む地域に「無電柱化」のことを少しでも知ってほしい。地元で無電柱化してほしい場所を聞きたいという彼のアンケートの目的を汲んであげたいと思います。
暑い中、お疲れ様でした。



