芦屋市は、市道218.72kmのうち無電柱化延長30.55km、無電柱化率14.0%で、全国1位の無電柱化率を誇っています(平成30年4月現在)
◇芦屋市の無電柱化の目的は
・災害の時に道路を通行しやすくするため
・普段から道路を歩きやすくするため
・街並みを良くするため
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👉芦屋市の無電柱化~広い空 ひろがる未来へ~
取材報告者 竹島 美咲
取材内容 「ふるさと納税で無電柱化を進めよう」
2月28日(月)10:00~11:00
実際に芦屋市役所に行き、芦屋市都市建設部道路・公園課三柴 哲也 様 、 藤井 貴大 様に取材させていただきました。
◆取材の目的
無電柱化が進まない理由の一つとして高コストということが挙げられ、自治体は1kmあたり約3.5億円の負担を強いられ、財政状況が厳しい地方を中心に二の足を踏む結果になっています。そこでふるさと納税において「無電柱化事業」を使い道としておられる立場から、ご意見を伺いたいと考えました。
Contents [show]
- Q1 無電柱化を進めるために、ふるさと納税を導入したのはいつごろでしょうか?
- Q2 ふるさと納税の使い道に無電柱化を推進するための資金を入れた理由はありますでしょうか?
- Q3 年間500万円を目標としているが現状の達成額はいくらでしょうか?
- Q4 ふるさと納税で集まった資金を利用して実際に無電柱化を行った、行う予定の場所はありますでしょうか?
- Q5 ふるさと納税を実際に導入してみての効果や課題点があればお伺いしたいです。
- Q6 他の自治体にアドバイスをするとしたら、どのような点があるでしょうか。
- Q7 現状、無電柱化を進める上での1番の問題点は何でしょうか。
- Q8 市民から反対意見は出なかったでしょうか。
- Q9 反対意見があれば、具体的な内容を教えていただけないでしょうか。
- Q10 無電柱化を進めるにあたって市民の意見を調査した資料があればお伺いしたい。
◆質疑応答
Q1. 無電柱化を進めるために、ふるさと納税を導入したのはいつごろでしょうか?
A1.無電柱化の資金を得られるようになったのは、平成30年9月26日~(ふるさとチョイス)
資金を貯めておくための口座を作らなければならない。
→無電柱化の推進を目的とする事業の経費に充てるため、芦屋市無電柱化推進基金を設置。
第5条 基金は、その設置の目的を達成するため必要な場合に限り,処理することができる。
(基金=芦屋市無電柱化推進基金)
→ふるさと納税に無電柱化の項目はあるが、基金に入れないと無電柱化に使えない。
→何に使われるか分からない(人件費など)
→無電柱化推進基金条例
:平成30年9月25日(議会が承認,同日施行)
無電柱化推進条例:平成30年11月10日施行
※芦屋市無電柱化推進基金条例について参考になる資料:kikinn_jourei.pdf (ashiya.lg.jp)
Q2. ふるさと納税の使い道に無電柱化を推進するための資金を入れた理由はありますでしょうか?
A2. 寄附金を集めるため(無電柱化には多額のお金がかかる)
市が無電柱化をする時に使わなくても電線管理者が無電柱化を行う時の行政対応に使用できる。
(電線管理者への行政支援が出来る)
Q3. 年間500万円を目標としているが現状の達成額はいくらでしょうか?
A3. 開始から約3年半で約4,000万円(令和3年1月末時点)
Q4.ふるさと納税で集まった資金を利用して実際に無電柱化を行った、行う予定の場所はありますでしょうか?
A4. 基金に積み立てたお金は、無電柱化のどのようなことに利用するのかについて
(1) 地域から無電柱化を図りたいと要望があった際の、アドバイザーの派遣。
→地上機器を民地の中に置かなければならない。その様なときに、地域と行政の中立的な立場の第三者に入ってもらう。話が上手くいくように話をコーディネートしてくれる人をアドバイザーという。
(2) 電波障害など営利目的でない電線類を地中化する際に必要となる費用
→大きなマンションが原因で陰になりテレビなどの電波を受けられなくなる。ケーブルテレビを使って無料の電波放送が受けられるようになる。ケーブルテレビの費用は原因となっているマンションの管理組合が補償している。
(3) 地上機器など無電柱化に伴い必要となる設備を設置するために必要な土地の取得
→上記の内容は国の支援が受けられない。
無電柱化をするために基金を使っているのではなくて、直接無電柱化に関係していなくても無電柱化するにあたって必要なものに使っている。
Q5. ふるさと納税を実際に導入してみての効果や課題点があればお伺いしたいです。
A5. ①市民への啓発→色々やってはいるがアピールの仕方が難しい。
②写真コンテストでは、30作品選んで記念品を贈呈(メールとインスタで募集)。
③VRで実際に電線が無くなったらどのようになるのかを再現。
④来年度から電波障害についての費用にも活用予定。
Q6.他の自治体にアドバイスをするとしたら、どのような点があるでしょうか。
A6. 無電柱化の効果をどう上手くPRできるかどうかが鍵となる。
→何年もかかる事業だから継続したPRが必要。
Q7. 現状、無電柱化を進める上での1番の問題点は何でしょうか。
A7. 予算の確保、煩雑な事務手続き、電線管理者との役割分担、自治体の無電柱化に詳しい人の人材不足。
Q8. 市民から反対意見は出なかったでしょうか。
A8. 総論賛成、各論反対。やることは良いが、個々の家の前のこととなると調整が難しい。
Q9. 反対意見があれば、具体的な内容を教えていただけないでしょうか。
A9. 地上機器を家の敷地内や前に置いてほしくない。
→公園に設置したりして、工夫をしている。
→3年くらい交渉する場合もある。
無電柱化はすごく良いことで、効果も大きい、街並みも良くなる、景観も良くなる、防災にも繋がる。しかし、実際にやるとなるとこんなに工事が長いと思わなかった、こんな道の中まで掘られるとは思わなかったなどの意見がある。
Q10. 無電柱化を進めるにあたって市民の意見を調査した資料があればお伺いしたい。
【図1~7の参考文献:市民意識分析の結果(学生の卒業研究)摂南大学 浅川様】
実際に無電柱化が行われた場所を教えていただいたので、取材終わりに行ってきました ❕
本当に電柱・電線が無くとても新鮮でした。電柱・電線があるのが当たり前になっていたけど、無電柱化が実際に行われた場所に訪れると、空には何も無いので広く開放感あふれる街だと感じました。私はインターンに参加するまで電線を気にしたことが無かったけど、電線が無いだけでこんなにも違うのかと驚きました。また、木々も綺麗に整っていて風景を見ながら歩くのが楽しく、気づいたら3時間程歩いていました。