企画者     行俊絵里彩
企画内容  「大学生および大阪府各自治体を対象にした、無電柱化に関するアンケート」

Contents [show]

大学生を対象にしたアンケート

テーマは、「多くの人に無電柱化について一緒に考えてもらうことで知名度を上げる」
理由としては、たくさんの人に無電柱化について知ってもらうことで日本の無電柱化への第一歩につながると考えたためです。

取り組む意義
私は、多くの人に無電柱化について知ってもらい、理解を得ることが無電柱化への第一歩だと考えています。日本の無電柱化率が100%になるのは長い年月がかかると考えられています。
そのため、できるだけ今の若者に無電柱化について知ってもらいたいです。特に、若者の中でも将来壮年になる今の20代前後の人に興味関心を持ってもらいたい、賛成を頂きたいと考えました。
よって私は、20代前後の若者が多くいる大学生にアンケートを実施したいと考えました。

大阪府の各自治体へのアンケート調査

テーマは、「無電柱化を推進する市区町村長の会」の加盟率を100%にする。
令和3年1月1日現在、全国で1728の自治体がある。うち「無電柱化を推進する市区町村町の会」に加盟している自治体は、292で、全自治体の約17%が加盟している現状です。
この現状を踏まえて、より多くの自治体が参画する状況をつくっていきたいと考えています。
理由としては、各自治体が同じ一つの会に入ることで、自治体の担当者のノウハウが蓄積されるため、担当者の異動があってもスムーズに無電柱化が進められると考えたからです。
無電柱化を進めていくためには「自治体」「電線管理者」「地域住民」の理解と協力が必要だと考えました。

取り組む意義
加盟率100%を目指すために何が足りないのか考察するため、現状を把握することで問題点がみつかる。
アンケートに答えながら各自治体の担当者が無電柱化に関心を持ってもらい、無電柱化の必要性を確認していただく。
大阪府を選んだ理由は、日本の無電柱化は群を抜いて東京が進んでいて、四番目の大阪府(政令指定都市では、大阪市が2番目)とかなりの差があるので、大阪に範囲を絞って将来の日本のために無電柱化を進めていく必要があると考えました。 https://www.mlit.go.jp/road/road/traffic/chicyuka/chi_13_02.html

都道府県別無電柱化率のグラフ(国土交通省資料より)

また、南海トラフ巨大地震がくると予測されているいま、できるだけ被害を抑え、迅速に救助活動を行えるようにするため無電柱化を進めていく必要があると考えました。
それと、なんと言っても私の地元であるからです。

👉令和3年4月に改訂された大阪府無電柱化推進計画のご紹介

実際に行ったこと

大学生を対象にしたアンケートでは、私一人で行うより多くの人に協力を仰いだ方が多くの大学生にアンケートの回答を得られえると考えたため、NPO法人電線のない街づくり支援ネットワーク様が受け入れている他のインターン生にも協力していただき、できるだけ多くの大学生に協力を仰ぎました。
大阪府の各自治体に行ったアンケートでは、各自治体がホームページ上で設けている「問い合わせフォーム」に一件一件問い合わせていきました。しかし、送信した「問い合わせフォーム内では私のほうで用意したGoogle Formで作成したアンケートが開かない」という声を多数いただいたので、同じ内容をワード文書に置き換えたものをメールで別途送信し、回答を頂きました。

回答結果(大学生編)

結果として176件いただきました。目標を300とかかげていたので大きく届きませんでしたが、昨年度同じアンケートを行っていた回答数(135件)を超えての結果となりました。

結果から感じた個人の感想
『あなたは今までに「無電柱化」という言葉を聞いたことがありますか?』という質問に「聞いたことがあり、内容も理解している」と答えた大学生が46.6%、「聞いたことはあるが、内容は知らない」と答えた大学生が26.7%いました。
この結果から、私が思っていたより若い世代に「無電柱化」が浸透していることが分かりました。

質問1.あなたの現在のお住まいの地域は?(176件)

質問2.あなたは今までに「無電柱化」という言葉を聞いたことがありますか?(176件)

質問3.質問2で「聞いたことがあり、内容も把握している」と答えたかたに質問です。どこで情報をえましたか。(93件)

また、質問2では「聞いたことがあり、内容も理解している」と答えた大学生93件の47.3%は、ニュース番組やネットから知ったことが分かった。新聞・雑誌などを含めると6割がメディア関連での情報からだとわかり、身近なところから「無電柱化」が広まっていることがわかった。
現状、「無電柱化」は防災面から知られることが多いのでないか。台風や地震などの際、電柱が倒れたり、電線が垂れ下がったりすることがあります。災害時にそのような状況がネットやニュースなどから流され、若い世代の人にも災害時に電柱が問題となっていることが広まっていることが分かります。災害時に倒れた電柱が道をふさいで緊急車両の通行に支障をきたすことなども知ってほしい。

阪神・淡路大震災時の被害の様子(1995年1月)

 

質問4.無電柱化のメリットとして大きく「防災」「交通安全」「景観保護」「資産価値の向上」の4つがあげられます。どれが一番大きなメリットだと思いますか。(176件)

👉国土交通省、無電柱化の目的と効果
👉無電柱化のメリット

 

質問5.無電柱化には上記のようなメリットと、コストがかかるなどのデメリットがあります。これらを踏まえて無電柱化に賛成ですか?反対ですか?(175件)

👉無電柱化のデメリットと課題

回答結果(大阪府の自治体編)

39ある大阪府の各自治体へのアンケートの回答数は17件でした。
回答を頂けなかった自治体には再度ご協力のお願いを送信させていただきましたが、目標としている半分を超える回答数は頂けませんでした。
また、回答を送ってくださった自治体様はアンケートを受け取る前から積極的に無電柱化に取り組んでいる自治体であったこともあり、このアンケートの結果は大阪府の各自治体の結果としてみるには少し偏った数値となってしまいました。
実際の各自治体の職員の方にアンケートをしてみてわかったことは、
各自治体の担当と思われる職員の方の個人的な判断では、無電柱化のアンケートに簡単に回答していただけないことが分かりました。
例えばある市役所の担当の方と電話でお話したときに「実際に市のホームページに記載されている以上のことは教えることはできない」との回答で、上記の理由とともに、質問の方法やアプローチの方法などで工夫をすることができなかったかなど、自分の力不足を痛感しました。

質問1.無電柱化推進計画は策定されていますか?(17件)

質問2.無電柱化の進捗は計画に対して予定通り進んでいますか?(9件)

質問3.「いいえ」と答えた方にお尋ねします。その理由は?(7件)

質問4.「無電柱化を推進する市区町村長の会」をご存知ですか?(17件)

まとめ

大学生を対象としたアンケートでは、無電柱化を知っている大学生が多いことが分かったと同時に、26.7%の「まったく聞いたことがない」と回答した大学生に今回のアンケートを通して少しでも無電柱化について知っていただけたと思います。
地道な努力ではありましたが今回私がテーマにしていた「多くの人に無電柱化について一緒に考えてもらうことで知名度を上げる」や、取り組む意義「将来壮年になる今の20代前後の人に興味関心を持ってもらいたい」という考えに沿えた結果だと思います。
大阪府の各自治体へのアンケート調査では、あまり納得のいく回答数とはなりませんでしたが、5件の自治体様が「無電柱化を推進する市区町村長の会」に加盟してみたいと回答を頂きました。

無電柱化を推進する市区町村長の会が発足(2015年10月)

👉無電柱化を推進する市区町村長の会のご紹介

 

大学生へのアンケートと同じにはなりますが今回テーマにしていた、「無電柱化を推進する市区町村長の会」の加盟率を将来的に100%にするということに少しでも近づけたかと思います。
アンケートにご回答いただきました大阪府の自治体関係者の皆様、学生の皆さん、ご協力ありがとうございました!