皆さんこんにちは! NPO法人電線のない街づくり支援ネットワークでインターンをしている上水口です。今回私を含め、山崎・大久保・長田もアンケート調査に参加しました。以下ご報告いたします。
無電柱化住宅にお住まいの方にアンケート調査を実施
◆背 景
海外の人は来日したとき、日本の街にある多くの電柱・電線に驚くそうです。
一方、日本人は、電柱・電線が日常に溶け込みすぎて、電柱・電線があることに疑問を持ちません。
そんな日本にも無電柱化が実現した地域がいくつかあります。そのうちの一つ、兵庫県芦屋市六麓荘町は日本初の無電柱化が実現した街です。
同じ芦屋市内では、高浜町、涼風町も無電柱化住居の街です。この街に住む人たちの電柱に対する意識が気になり、アンケート調査を実施したいと考えました。
実施期間中、ご協力いただきました芦屋市の住民の皆様、ありがとうございました!
◆実際に行ったこと
私一人で行うより多くの人に協力を仰いだ方が回答数を得られると考えたため、他のインターン生にも協力を仰ぎ、4日間に分けて高浜町と涼風町を訪問しました。
インターフォン越しにアンケートを依頼し、QRコードの入ったアンケート依頼用紙を投函しました。お時間がある方にはその場でアンケートに回答していただきました。
❑ 実施期間は9月4日~9月17日
❑アンケート投函戸数:417件
❑うち回答数:53件
➾うち訪問先で回答:34件
◆アンケートを終えてみて
結果として53件の回答をいただきました。
目標としてかかげていた50件を達成することが出来ました。
回収率:回答数/投函数=12.7% 回収率の目標は10%で、これをを大きく上回りました!
今夏は、例年以上に暑い過酷な夏となり、上水口さんをはじめ他のインターン生もよく頑張ってくれたと思います。極力無理のないように、時間を限定して進めてもらいました。そのような中、ある程度の成果を出してもらったのはよかったと思います。(インターン担当:塚田)
質問1.回答者様のご年齢を教えてください。(53件)
10代以上から70代まで幅広い年齢層にご回答いただきました。
質問2.お住いの地域を教えてください。(53件)
質問3.居住年数を選択してください。(53件)
質問4.現在お住まいの住宅は、新築でご購入されましたか。それとも中古でご購入されましたか。(53件)
居住年数は11年~20年が多く、2007年以降に増えた電線類地中化物件の購入者がそのまま住み続けていると考えられます。また、戸建て購入をする場合、新築物件を購入する割合が90%と高かったです。
質問5.無電柱化とは何かご存知ですか。(53件)
無電柱化住宅に住まれているのに、「無電柱化」という言葉を知らない方もいることに驚きました。実際にアンケートに伺ったとき、「無電柱化」ではなく「電柱が無い」という言葉でないと伝わらないという声もありました。
質問6.はじめて無電柱化住宅を見学した際、どのように思いましたか。(53件)
質問7.購入を決めた決定的な理由を下記からお選びください。(53件)
質問8.無電柱化が購入決定要因の一つだったと思いますか。(53件)
質問9.実際に住んでみて良かったと思うことをお選びください。(53件)
質問10.逆に期待通りでなかったことがあればお選びください(53件)
無電柱化住宅では、ネット環境やケーブルテレビなどの受けられるサービスが限定されてしまう点を不満に感じている人が多くいました。また、台風時に停電したという声も上がりました。←高波による地上機器の水没が原因のようです
質問11.無電柱化住宅に住んでから無電柱化されていない場所を訪れる時に、景観面や防災面で電柱や電線について意識する機会は増えましたか?(53件)
質問12.無電柱化エリアの住宅は、資産価値が維持できると思いますか。(53件)
質問13.一戸建ての購入を検討している知人がいたら無電柱化エリアの住宅を積極的に薦めますか。(53件)
質問14.次に引っ越しするなら無電柱化住宅と無電柱化されていない一般住宅、どちらを選びますか。(53件)
知人への積極的な無電柱化住宅の紹介を薦める人は少ないですが、ご自身が引っ越す際には無電柱化住宅を好む方が多くいました。資産価値が維持できると考えているひとが多いことには驚きました!
◆まとめ
無電柱化住宅エリアではネット環境やケーブルテレビなどの受けられるサービスが限定されることがデメリットとして挙げられており、その点の改善策も必要になってくると思います。
また、無電柱化住宅に住む方々の電柱に対する意識は、一般住宅に住む他の日本人とは違ったように感じられました。
電柱が無い住宅エリアに住むことにメリットを感じたり、それが理由で購入を決めていても、「無電柱化」という言葉を知らない人は多くいました。
これからより「無電柱化」という言葉を広めていく必要があると考えました。
この記事によって「無電柱化」を広める力になればと思います。
改めて、アンケートにご回答いただいた芦屋市の住民の皆様、ご協力ありがとうございました!
◆アンケート調査に携わった他のインターン生の意見より(山崎君)
1)住民の方からの口頭意見(個人的見解あり)
1.2018年9月の台風21号 台風時の大雨により車のタイヤ部分くらいまでが沈んだ(海へ流れるための排水口が詰まっていた)。
(1の意見を受けて)芦屋市は景観ばかり気にしていて、無電柱化の問題点を注視しないこと。
2.無電柱化住宅を希望して購入決定しているのは男性が多いように感じた。
3.以前、電柱がある住宅にいた時と比較して鳥の糞害は変わらない。
4.ゴミ捨て場は10軒に1つ設置されているので、困ったことはない。
5.バス停までが遠い。
6.「無電柱化」という言葉を知らずに、景観の良さで購入している人が多い。
7.家を売る際に、購入したときの値段より高く売る場合もある。
2)アンケートDBの分析
1.回答者 は様々な年齢があり、実際に現地に行った際も2世帯住宅が多かった。
2.居住年数が11年~20年が多く、新築で購入後そのまま住み続けている人が多い。
3.景観の良さや高級感で家を選択している人が多いように感じた。
4.質問8の選択肢、無電柱化が購入決定の要因とは限らないのは、景観や治安の良さだと考えられる。
5.48件のうち33件の人が、資産価値が維持できると答えていたのは景観面からくると考えられる。
6.無電柱化住宅のメリット、デメリットを知っているから知人への積極的な紹介は控えたい人が多い面、自身は一般住宅には戻れないと言う人も多いように感じた。
3)所 感
1.Google Mapに無い、新築の家が存在した。
2.無電柱化を知っている人がアンケートに良く答えてくれた。
3.外国人が一定数居住(中国や英語圏の人)。
4.それぞれの家に南国系の樹木や木々が多く、手入れが大変なのではと思った。
5.電柱・電線がなく海が近いので太陽が近く感じた(南芦屋浜なので)。
6.太陽光発電システムや車を2台以上の所有、大きな家が多かった。訪問に気がひけた。
7.JR線は「交通費が高い」が「時間が短い」。一方、阪急線は「交通費が安い」が「時間がかかる」
8.夏場は日中36℃近く気温が上昇するので、午後より、午前に行く方がアンケートの回答率が高かった。