この記事は2005年3月に発行されたフロリダ公共サービス委員会(Florida Public Service Commission : FPSC)によって作成された「フロリダ州における私営電気事業用送配電設備の地中化に関する予備分析(Preliminary Analysis of Placing Investor-Owned Electric Utility Transmission and Distribution Facilities UNDERGROUND in Florida) 」を当NPOで和訳した記事になります。

PDFのリンクは下から

https://www.google.com/url?client=internal-element-cse&cx=008503041933476338818:uddc80mgfdo&q=http://www.psc.state.fl.us/Files/PDF/Publications/Reports/Electricgas/Underground_Wiring.pdf&sa=U&ved=2ahUKEwjcx5OVu4LoAhUWfnAKHdFmDZkQFjACegQICBAB&usg=AOvVaw0ge5_5xGS76lnKIA6SWAj7

内容としてはフロリダ州の電気事業やハリケーン被害の紹介や送配電設備の地中化にかかる費用の概算などとなっており、日本ではあまり見られない視点からの数字を交えた地中化の利益等の分析となっております。

拙い和訳故読みにくい箇所もあるかもしれませんが、ご承知おき下さい。

Contents

エグゼクティブサマリー

2004年のハリケーンシーズンはフロリダ州の記録中最も活発なものとなりました。Charlie , Frances , Ivan , Janneなどのハリケーンが発生し、フロリダ全域の家やビル、道路、橋、そして公共のインフラに損傷や破壊をもたらしました。そしてそれぞれのハリケーンの余波で州全域が停電に見舞われました。各ハリケーンがとったコースによりフロリダのほぼすべての郡の電気サービスに影響が出ました。

停電はそれぞれ、北東フロリダ及び北中央フロリダで短期間、中央フロリダの南東の海岸や北西の細長い地域(編注:原文には”panhandle“と記入されています)で最大2週間と長期にわたりました。電力の復旧が行われる前に構造的な損傷を修復しなければならなかったため、一部の家庭や企業ははるかに長い期間電力が供給されていませんでした。

架空線の電気供給設備は特に大きな被害が出ました。ハリケーンの強風と竜巻は、送配電塔と電柱を倒壊させ、飛来物は変電所と交換局に被害を与え、倒れた木と枝は架空送電線に絡まったりショートさせたりしました。州の多くの地域で、サービスの復元には修理というよりも再建への取り組みが必要となります。

地中の電気系統もハリケーンの影響を受けました。沿岸地域、特にバリアー島の地中配電システムは巨大な高潮によって浸水しました。塩水の影響により多数のパッドマウント型変圧器とケーブルが故障しました。更に、浸水した地域の地中線はしばらくの間故障の影響を受けやすく、監視の必要があります。

復旧の過程中に多くの人が経験した停電は、フロリダの電気事業者による地下電気事業施設の設置を調査するきっかけとなりました。また前述のように既存の地下サービスがハリケーンの影響を受けないということはありませんが、地中化によって電気系統への被害を軽減し、復旧までの時間を短縮できるのかという問題提起が行われました。

2004年10月、フロリダ下院の公益事業と電気通信事業委員会から、フロリダの地下電気設備のコストに関する調査提案をFPSCに要請しました。2004年10月20日付の文章ではFPSCが3段階の研究が可能で、どこまで詳細な調査を行うかによって完了するまでの期間が90日、120日、180日必要となることを述べています。90日間の調査は、FPSCが行った以前の調査データと他の州、国、専門機関によって実施された研究から得られた情報による更新・外挿が主となっています。また、フロリダの電力会社からの現在必要なコストと信頼性が高いデータの収集と分析、及び関係事業者からの情報の入手などを含むより包括的な研究には最大180日の追加時間が必要です。下院職員とのその後の連絡で、FPFCは既存の私営電力会社の送配電設備を架空から地中へ変換するためのコストを可能な限り短時間で算出してほしい旨を伝えました。したがって、この調査では私営電力会社の公益事業のみを対象とし、地方自治体及び地方の電気協同組合の公益事業の地中化費用は調査に含まれていません。この予備分析の結果は、2005年の通常審議の開始前に提供されることになっていました。

この分析の目的は私営電力会社がフロリダの地下に既存の地下送配電設備を設置するためのコストの概算を算出することです。ここでは電力会社への直接費用のみを考慮に入れます。ここに記載されている費用の見積もりは、主に私営電力会社の過去データの外挿によって作成されています。フロリダにある5つの私営電力会社は、州全体の電力の売り上げの約78%を占めています。

Tampa Electric CompanyがDavis islandの居住者向けに作成したコストの見積り、及びJEA(編注:Jacksonville Electric Authority)による最近の調査で作成された見積は比較のために掲載されています。州のさまざまな地域人口に対応する様々な送配電設備の構成の相違から、事業固有のコスト見積りを作成するには、事業別の詳細な分析が必要となります。

既存の私営電力会社の送配電施設を地中化するための推定コスト

2003年末の時点で、フロリダの5つの私営電力会社は合計で14,566マイルの送電を行っており、正味帳簿価額で約24億ドルでした。183マイルのみ地中化されています。この文章のセクション4では、送電設備の地中化に関する技術的な問題のいくつかについて説明していきます。

インフレ過熱以前の1991年の委員会の地中化に関する調査を用いて推定すると、5つの私営電力会社が所有する電力会社の既存の送電線を地中化するには約518億ドル必要なことが分かりました。地中化を行う期間とコストの回収に10年かかるとすれば、これらの事業すべての顧客に対するkWhベースの料金で10年間約49.7%増加します。これは、基本料金と燃料を含む全ての顧客の料金に影響を及ぼします。

2003年末私営電力会社が所有する5つの電力会社は115,961マイルの主要配電線を所有していました。細区画と近隣地域にサービスを提供する二次配電線と側面配電線の合計マイルデータは利用できませんでした。2003年末のすべての配電設備の正味簿価額は約70億ドルでした。5つの私営電力会社の既存の架空配電線と給電線を地下に配置するための推定費用は945億ドルです。この推定には、(1)区画内の既存の架空設備を地中化する費用、(2)細区画及び商業地区を発電および送電供給システムに接続する給電線を地中化する費用が含まれます。

この地中化の見積は、主にインフレ過熱以前の1991年の委員会の調査に基づいています。比較のため、Davis諸島の居住者のためにTampa Electric Companyによって地中化された特定地域の費用推定と、JEAによる最近の研究も調べました。これらの現地調査は、特定の細区画内の配電設備の地中化コストのみに対処しているようであり、主要な配電フィーダーのシステム全体の地中化には対応していません。Tampa ElectricとJEAの分析結果は、1991年の委員会を元にしている為、地中化の費用がやや低く見積もられている可能性があることを示しています。

10年間で地中化を行う期間と費用の回収に10年掛かるとすれば、配電フィーダーと細区画の地中化も含めた推定コストである945億ドルが私営電力会社のすべての顧客に分散される場合、kWhベースの料金を10年間81.1%引き上げなければなりません。一方費用が住宅の顧客のみに分散している場合、10年間141.5%増加させなければなりません。これは、基本料金と燃料を含む全ての顧客の料金に影響を及ぼします。

この文章では架空送配電線の地中化コストには運用費のみが含まれることが強調されています。顧客費用やその他の外部費用は考慮されていません。例えば、支柱の取り外しに関する費用や顧客のメーターソケット、サービスパネル又は内部配線の最適化にかかる費用を考慮されていません。

多くの既設住宅では、地中化により顧客の内部配線を更新することによって、電気工事規定を満たすことができます。これらの費用は住宅所有者が負担します。これらの配線問題が改善されるまで、電力会社はサービスを再開することができません。

この見積りには既存施設の地中化コストしか含まれていません。将来にわたって架空線ではなく地中線を敷設し続ける費用についての推定を行っていません。同様に電話やケーブルテレビなど共架柱(joint-use pole)や通信柱を必要とする設備の地中化コストも見積りに含まれていません。

資金調達における選択肢

地中化費用の資金調達における選択肢について簡単に説明します。ただし提示された選択肢には、(1)顧客料金の引き上げ、(2)不動産所有者の資金調達、(3)その他民間部門からの資金調達、(4)納税者からの資金調達の4点による費用回収に伴う電力会社からの初期資金が含まれています。

地中化以外の方法

電力会社が架空送配電システムに対するハリケーンや台風の影響を軽減させる方法として、(1)メンテナンスの改善、(2)過剰剪定(送電線用地拡大も含める)、(3)風圧荷重基準の厳格化、(4)洪水対策の強化が挙げられます。これらの手段は「強化」と呼ばれます。このような方法について費用対効果が高いかどうかを判断するためには費用便益分析が必要となります。

その他の調査及び報告、既存の州による規制

州の公益事業委員会、調査会社及びその他の国によって実施された、地中化のコストと利点に関する利用可能な研究の概要が提供されています。これらの研究は例外なく、既存の架空配電線を地中化するためのコストが、一般的な架空設備のコストよりもかなり高いことを主張しています。また完全ではありませんが、地中設備に関する州の規制の一部も要約されています。

Ⅰ.フロリダにおける電力供給システムの概要

A.フロリダの電力会社

フロリダで運営されている電力会社は基本的に、(1)私営電力会社、(2)地方自治体が所有する事業者、(3)地方公共事業組合の3種類に分けられます。フロリダ公共サービス委員会(FPSC : Florida Public Service Commission)は次の5つの私営電力会社が提供する料金及びサービスに関する規制の全権を有しています:

①Florida Power & Light Company (FPL)
②Progress Energy Florida (PEF)
③Gulf Power Company (Gulf Power)
④Tampa Electric Company (TECO)
⑤Florida Public Utilities Company (FPUC)

これらの私営電力会社はフロリダの電力小売事業の約78%を占めています。

フロリダ公共サービス委員会には、フロリダにある33の公営電力会社(電力売上高の14.5%)及び18の地方電気協同電力会社(エネルギー小売の7.5%)を超える会社の料金構造の制限を管轄しています。料金構造の管轄には、市町村及び地方電力協同組合によって請求される料金を見直し、料金が差別的でないと確認する事が含まれています。他にも委員会はすべての電力会社の基幹電力計画や保守、送配電線の需要の決定、不動産紛争と合意、省エネのそれぞれの分野を法的に管轄しています。

B.主要な電力供給システムの内容

基本的な電力供給システムの構造は主に次の3つとなります。

①発電所

②送電線や送電設備

③配電線や配電設備

発電所はウラン、石炭、天然ガス、石油などのさまざまな燃料のエネルギーを電気エネルギーに変換して電力を生成しています。電力が生成されると、発電所の変圧器によって電圧を「昇圧」され、送電システムを介して無駄なく送電されます。送電線は、発電所や配電システムを相互に繋ぎます。

送電線は、2つの方法で電力供給システムをサポートしています。第一に、送電線は隣接する電力会社の電力供給システムを相互に繋いでいます。これらの相互接続により、電力会社は互いに電力を売買できるため、信頼性と経済効率が上がります。今日、米国本土のすべての電力会社は、少なくとも1つの他の電力会社と相互接続されています。第二に、送電システムは、発電所と配電システムの間を繋ぎ、顧客が自宅や会社を運営するために必要な電力を最終的に供給します。

配電システムレベルでは、変電所の変圧器によって電圧を「降圧」され、地元の近所やビジネス地区に配電されます。通常、配電用変圧器によって住宅及び商業用の顧客向けに電圧を降下させます。

電力供給システム全体の電気の流れを管理するのがコントロールセンターの機能です。コントロールセンターは、発電、送電、配電システムが監視及び制御される送電網の戦略的な場所に位置しています。供給システムの内外を介して効率的かつ信頼性の高い方法で電力の卸売りと、エンドユーザーへの電力の流れを管理するためにリアルタイム情報が収集されています。

電力会社のコントロールセンターでオペレーターが使用する主要なツールの一つとして、監視制御及びデータ収集(SCADA : Supervisory Control And Data Acquisition)システムがあります。SCADAシステムにより、オペレーターは遠隔地からリアルタイムで監視、制御及び送配電の機器設備の操作が可能となっています。これは電力供給システムの様々な中継や切り替え装置における電力の流れ、電圧、状態の情報を収集する変電所や他の場所に遠隔測定装置(RTUs : Remote Telemetry Units)を設置することによって行われています。この情報は、必要な発信、切り替え、保守機能を実行する電力供給システムのオペレーターによって監視されています。

全地球測位及び地理情報システム(GPS/GIS : Global Positioning and Geographic Information Systems)を用いて、システムを構成しているすべての施設(電線、電柱、変電所)を地図化し、機器の在庫の位置と大きさを文章化します。最小限の時間で特殊な機器や部品を検索できるように機材のデータベースが保持されています。また、電力会社は、機器や材料(変圧器、電線、支柱、その他のスペアパーツなど)を保管し、そこから保守及び修理の人員を派遣する整備場と倉庫を設けています。

相互に接続された電力システムは、毎日必要に応じて、安全で確実に電力を供給できるように設計されています。あたかも数百の発電機のシャフトが一斉に回転し、正常な電圧と周波数で発電して産業・商業・住宅の顧客の電力需要を同時に満たす一つの大きな発電機と見なすことができます。

C.架空及び地中送配電設備

115キロボルトの単柱架空送電構造物

送電線は、発電所からシステム周辺の様々な変電所に高い電圧の三相電力を運ぶために使用されています。フロリダでは送電電圧69kVから500kVまで様々で、送電線は通常架空設置されています。架空送電線は、大きな木材、鋼、又はコンクリートの構造物又は支柱で支えられています。フロリダ州には半島状の地形があるため、発電所と負荷の中心の間の長距離に渡る送電線が多く配置されています。

鉄塔と二組の木柱が並ぶ送電回廊の典型例

地中設備は架空設備よりも強風による被害を受けにくいのは事実ですが、どちらのタイプの設備も落雷の影響を受けます。架空設備より地中設備の方が衝突事故は減少しますが、偶発的な掘削によって引き起こされる機器の損傷や人身傷害又は死亡事故が増加します。

送電線は、必要な容量と設計と材料に応じて、断熱材の層を除き、保護なしで埋設する(直接埋設)か、導管・トンネル・又は油冷パイプを配置して埋設する方法があります。フロリダの送電線の総マイル数に対し1.5%未満が地中に存在します。送電線を地中化するには一連の問題と固有の条件が存在します。何よりもまず非常に高価であり、地中設備の状況確認と修理に時間がかかります。最後に地下送電線は、特に塩水の侵入が問題となる地域で、洪水による被害を受けやすい傾向にあります。

コンクリートで強化された側溝内に敷設された地中送電線。この例は、地役権の妨害排除請求権の取得が容易な場所で一般的に建設されます。

地下トンネル

次の図は地下トンネルに設置された地下送電線です。これは地役権の妨害排除請求権の取得が困難または不可能な場合(都市等)用いられています。

コストを削減するため、上水道、下水道、電話、光ファイバー、ケーブルテレビ、ガス管などの設備を電気設備と併設することになります。

変電所

前述のように、典型的な電力供給システムは、送電変電所と配電変電所を利用します。変電所の主な機能として、電圧の上昇や降下、別部分のシステムへの接続ポイントを提供すること、特定のスイッチング及び遮断操作を実行することが挙げられます。送電用の超高圧変電所は、各発電所の近くに配置され、長距離で効率的な送電を行うために電圧を上昇させます。
1次変電所は、送電システムの様々な部分に設置されており、それぞれのシステムのつなぎ目となっている他、特定の顧客(産業など)または配電変電所が使用できるような電圧にまで降下させる役割を持っています。中間変電所の変圧器(柱上トランスなど)は、超高圧や1次変電所から受け取る電力の電圧を住宅、商業及び産業施設への配電に適したレベルまで引き下げます。
全ての送電変電所はフロリダだけでなく、アメリカ全土で架空建設されています。ただし商業ビルや都心部で変圧器を地上の箱に収納されている場所がいくつかあります。

以下の写真は高圧電力が最終用途の顧客への配電のために低電圧に変化される典型的な配電用変電所です。写真の左側の手前のボックスは変圧器になります。送電システムからの電力はこの変圧器に供給され、配電のために電圧降下が行われます。変電所の右端に3つの電圧レギュレータがあり、電圧を一定レベルに維持するのに役立ちます。全てのエンドユーザーの電気機器は一定の電圧で動作するように設計されている為、電圧レギュレータを用いての調整が必須となります。

変電所内の高電圧機器との偶発的な接触による重大な怪我や死亡を防ぐ為、一般人が立ち入らないように変電所の周囲の安全確保用の金網のフェンスが建設されています。変電所に入る電圧は通常69kV~500kVの範囲で、配電用の電圧は2.4kV~35kVの範囲です。

配電フィーダ―(給電線)

架空単相変圧器

配電フィーダーは、配電用変電所と住民や企業を繋ぎ、大きな電力を供給しています。通常、電力は三相三線式で変電所を出ます。三相三線に加えて、通常システムを接地する為に使用される中性線と呼ばれる4番目の線が存在しています。またある時点で、メインの三相を三相と一相(側線)に分岐させる場合があります。住宅及び小規模の商業顧客は単相電力を使用する一方で、三相電力は一般的に大規模な商業及び産業の顧客が使用します。三相電力は大型のモーターを使用するための電力を供給します。モーターなどの回転機械は、三相電力により経済的かつ効率的に動作しています。

(左から)典型的な三相架空柱上変圧器/地中システム用パッドマウント型変圧器

電力システムの構成物

Ⅱ.2004年のハリケーン

A.地理的要因と経済への影響

ハリケーンは強風と大雨が特徴です。さらに、副産物として高潮と散発的な竜巻がしばしば発生します。猛烈な風と洪水は通常、個人や商業的な財産、公共インフラ、公共施設に損害をもたらします。折れた大きな枝、倒れた木、飛ぶ破片が架空送電線と接触すると、停電が発生します。送電線、電柱、地中線、地上の電気設備が故障すると、停電の規模や期間が拡大します。

地下の電気設備は、ハリケーンの影響を受けません。沿岸およびその他の低地の地下配水システムは、洪水の悪影響を受ける可能性があります。塩水が侵入すると、多数のパッドマウント型変圧器とケーブルが故障します。さらに、洪水で浸水した地域の地下線は、しばらくの間故障の影響を受けやすく、ハリケーンが通過してからずっと後に点検する必要があります。清掃と復旧作業中に、パッドマウント型変圧器は、ごみ収集車にぶつかったり、ブルドーザーに掬い挙げられたりする場合があります。また地中線は、アスファルトカッター等によって不注意に切断される場合があります。

2004年のハリケーンシーズンは、フロリダの歴史の中で最も破壊的な被害を受けた期間の一つでした。8月13日から9月25日までの6週間の間に、前例のない4つの巨大なハリケーンの襲来が州に甚大な被害を及ぼしました。強風域は暴風域よりも大きく、それによって嵐の被害が拡大しました。チャーリー(Charley)、フランシス(Frances)、ジャンヌ(Jeanne)というハリケーンの進路がフロリダ州中央部で重なっており、イワン(Ivan)は州の北西部にある細長い地域に被害を及ぼしました。

ハリケーンによる強風の地理的経路

2004年8月13日には時速145マイル(233km/h)の風が持続するカテゴリー4のハリケーンチャーリーが、フロリダ州湾岸近くのフォートマイヤーズ市(Fort Myers)に上陸しました。州の南西から北東の方向に進み、デイトナビーチ(Daytona Beach)周辺を抜けました。地理的にはチャーリーは4つの嵐の中で最も狭く、上陸時には暴風域が60マイル、強風域が170マイルに及びました。

チャーリーがフロリダの南西海岸に上陸してから3週間後、カテゴリー2のハリケーンであるフランシスが、ウエストパームビーチ(West Palm Beach)のすぐ北にある州の南東部に時速105マイル(169km/h)の風が吹き続けました。フランシスはチャーリーよりもはるかに大きく上陸時の暴風域と強風域はそれぞれ150マイルと400マイルに及びました。

カテゴリー3のハリケーンであるイワンは、9月16日にフロリダの南東海岸にフランシスが襲来した12日後、フロリダの細長い地域の西部にあるアラバマ州ガルフショアーズ(Gulf Shores)に上陸しました。上陸時、風は時速130マイル(209km/h)近くで、暴風域は105マイル、強風域は580マイルに渡り、細長い地域の北東部に深刻な影響を与えました。

9月25日、この6週間の内フロリダ州で4番目のハリケーンであるジャンヌは、3週間前にフランシスが襲った南東海岸の同じ場所の近くに上陸しました。ジャンヌは時速120マイル(193km/h)までの風が吹くカテゴリー3のハリケーンで暴風域が約140マイル、強風域は約410マイルにまたがる大規模なハリケーンでした。

表1はこれら4つのハリケーンの影響の一部を州全体の観点からまとめたものです。

表2は、2004年にフロリダを襲った4つのハリケーンのそれぞれについて、フロリダの5つの私営電気事業者それぞれの推定損害額への影響を表しています。これらの金額には、発電所及びセントラルオフィスビルなどの他の建物の被保険資産の控除可能額、ならびに自己保険の対象となる送配電設備の損害額が含まれます。

注:表2に示されている量は、最終的な嵐による被害の損害額ではありません。これらは、データをもらった日付時点での暫定的な金額です。

B.電力会社の復旧への取り組み

ハリケーン後に電力会社が顧客に電力を提供できるようになるまでの速度は、緊急時対応計画の有用性に大きく依存します。このような計画は、上陸のかなり前に効率的な復旧を可能とする為にステージ分けと組織行動を決めておきます。強風や雨が降るとすぐに電力が回復できるように、バケットトラック、電柱、電線、変圧器、腕木、絶縁体、ヒューズなどの大量の機器と消耗品を州の戦略的なポイントに事前配置する必要があります。復旧作業員及びその他のサポート要員の食事と宿泊の手配も必要です。また各公益事業者は、顧客だけでなく様々な政府機関や民間機関に復旧努力の頻繁な更新を行う準備をしなければなりません。

事業者計画では、他の事業者が提供可能な支援を想定します。州の電気事業者は、州内の他の電力会社と他の州およびカナダの電力会社と相互援助協定を結んでいます。基本的にこれらの協定により、公益事業者は大規模な暴風雨などの緊急事態に対応する際に、人員、設備、備品を互いに貸し合うことができます。補助する事業者は復旧作業の終了時までに発生したコストを被補助事業者に請求します。州の緊急管理法として知られるフロリダ州第252章は、自然災害及び人為的災害の影響に対処するための枠組みを提供しています。この法律は緊急管理区画(Division of Emergency Management : DEM)を地域の部署内に設置します。DEMは、緊急事態への対応において、連邦政府、州政府、の他の部署及び機関、郡及び市政府、教育委員会、民間機関、公益企業との調整を担当しています。また同法は、DEMが州総合緊急事態計画 (State CEMP : State Comprehensive Emergency Management Plan)を準備しなければなりません。

州のCEMPは、各郡が州のCEMPの基準と条件に合致した郡総合緊急事態計画(County CEMP)を採択しなければなりません。災害への対応に関する州の方針は、地方の緊急対応活動を支援することです。緊急時の活動は、フロリダ州タラハシー(Tallahassee)にある緊急時対応センター(EOC : Emergency Operations Center)を通じて、州全体の観点から調整されています。各郡は地元のEOCを維持管理しており、電力の復旧、警備、避難民の避難所や食事の調整を行い、政府機関や一般市民に情報を提供しています。

これらの調整活動は、電気システムの修復に関わる作業員が重傷を負ったり死亡したりする可能性を最小限に抑えたり、排除したりするために特に重要です。 これには、機器や消耗品のステージング、配線のひも付け、回路への通電、鉄塔の修理、翌日の活動の計画など、割り当てられた作業の毎日のステータスレビューが必要となります。

下の図は、4回のハリケーンによる電力の復旧状況を経時的に示したものです。ハリケーン「チャーリー」と「フランシス」では、6日後に約9割のお客さまが電力を復旧しました。ハリケーン「ジャンヌ」では、90%のお客さまが4日後に復旧しました。 ハリケーン「イワン」の影響を受けた顧客の90%が電力を復旧するまでには11日かかりました。

ハリケーンごとの復旧必要時間

暴風雨被害

以下の一連の写真は、2004年の間に州を襲ったハリケーンの結果、電力会社の電気設備が被った損害を言葉以上に説明しています。

架空配電線に対する風雨の影響/電力設備の暴風被害の多くは、強風や洪水によるものです。 強風は、施設に直接被害を与えたり、近くの樹木や木の枝などの構造物が電力施設に吹き飛ばされたりすることで被害を受けることがあります。浸水は、電気回路の正常な機能に深刻な問題を引き起こすだけでなく、システムの重要な部分へのアクセスを制限し、それによってシステムの復旧に必要な時間を長くなってしまいます。

島嶼部における地中設備の被害

ハリケーン「ジャンヌ」による地下システム用パッドマウント変圧器の浸水。 [29]/ハリケーン「イワン」による風水害から地下システム用のパッドマウント変圧器まで。[29]

沿岸部における地中設備の被害

ハリケーン「イワン」による高潮と海岸浸食によるパッドマウント型変圧器施設の破壊。 [29]/ハリケーン「イワン」の風と高潮によるパッドマウント変圧器の埋没。 [29]/ハリケーン「イワン」による地下システムのスイッチングボックスの損傷 [29]

インフラへの被害

ハリケーン「イワン」で高速道路のインフラに発生した被害の一部。このような被害は電力の復旧が遅れる原因となります。[29]

Ⅲ. 地中化に対する過去の研究と現在の規定

A.委員会による過去の地中化についての調査

1989年に立法府は、送配電設備の地中化の費用対効果に関する調査を実施するようFPSCに指示し、1991年12月に調査が完了しました。

5つの非沿岸サブシステムと沿岸システムの全てに関する電気料金のデータ要求が、州内の私営、地方自治体、電気協同組合などの電力会社に送られました。分析されたサブシステムには、低密度および高密度の細分化区域と同様に、農村部および都市部の給電線が含まれています。

電気料金以外の以下の項目について、コストデータを作成しています。

■停電費用 ■電柱事故費用
■暴風雨以外の停電費用 ■電気接触事故費用
■サージやサグの費用 ■顧客に直接配電する費用

私営、地方自治体、電気協同組合の 3つの電力会社ごとに、個別のコストモデルが作成されました。コストモデルには、3つの主要なステップが含まれています。まず、電力会社の収益条件は、30 年間の架空および地中設備の両方について計算されました。次に、非電力事業費を電力事業の収益条件に加えました。第三のステップは、総ライフサイクルコストの現在価値を計算することでした。

6つの配電サブシステムと4つの建設シナリオ(新規、移転、交換、転換)について、架空設備と地下設備の両方について、総ライフサイクルコストを計算しました。これらの初期モデルの実行後、いくつかの調整が行われました。これらには、より高いインフレ率、地下のO&M(運用保守)コストの低下、全ての沿岸システムの地下のO&Mコストの低下が含まれていました。1991年12月の最終報告書で、欧州委員会は以下のいずれのシナリオにおいても配電施設の地中化は費用対効果が低いことを明らかにしました。 [9]

B.委員会による現在の地中化についての規定

FPSC規則25-6.078「料金表」では、私営電力会社は、新規住宅分譲地における電気設備の地中化に関する電力会社の料金表規則および規則の一部となる方針を書面で委員会に提出することを義務付けられています。このような方針は、委員会の審査と承認を条件とし、(1)見積平均コスト差がある場合には、その見積平均コスト差を含まなければならず、(2)電力会社が地下サービスを提供する根拠を記載しなければならず、(3)サービスの延長時に、地下システムと同等の架空システムのコスト差を申請者から回収する方法を明記しなければなりません。申請者に対する料金は、地下システムと等価の架空システムの費用の差額の見積額を超えることはできません。

委員会の別の規則である規則25-6.115では、各私営電力会社は、規則25-6.078の対象外の新規建設と既存の架空設備を地下設備への転換に対応する料金表を提出することが義務付けられています。 この料金表には、私営電力会社と申請者が、既存の架空電気設備の新規建設または地下電気設備への転換を目的として契約を結ぶことができる一般的な規定と条件が含まれていなければなりません。[10]

Ⅳ.既存の送配電設備の地中化にかかる費用の推定

A.既存の私営電力会社の送電設備の地中化にかかる費用の推定

送電設備は、電力供給システムのバックボーンとなっています。送電設備は、発電所で発電された大容量電力を変電所に送電し、最終需要家に配電します。また、他の電力会社の電力系統との送電相互接続により、信頼性と経済性を目的とした大容量電力の売買が可能になります。より低い電圧レベル(69kV~115kV)では、送電は地域の信頼性と経済的な電力交換を確保するために、地域社会全体にループサービスを提供します。

送電線と接続された変電所は州のタテとヨコを横断しています。また電圧の大きさも69kV~500kVまで多岐にわたります。[30]

2003年末現在、フロリダ州の私営電力会社は、合計で約14,566マイルの送電線を稼働中で、正味帳簿価額は約24億ドルに達しています。 これらの送電線と接続された変電所は州のタテとヨコを横断しています。これらの送電線は、69kVから500kVまでのサイズがあります。典型的な69kV送電線は最大22MWの電力を運ぶことができ、500kV送電線は最大1,200MWの電力を運ぶことができます。これは、それぞれ23,000戸、120万戸の住宅で使用されている電力に相当します。

1.送配電設備の地中化時に考慮すべき要素

高圧送電線を地中に敷設する可能性を判断する際には、考慮すべき重要な要素がいくつかあります。地中埋設に適した導線は非常に高価で、1フィートあたりのコストは線路の電圧にもよって架空導線の10~14倍にもなります [11] 。導線を埋設するためのコストは、電圧レベルや、線路が都市部、郊外、農村部のいずれに配置されるかによっても異なります。土壌の種類も重要で、例えば、砂や粘土は比較的簡単に溝を掘削することができますが、南フロリダで見られる珊瑚岩は非常に難しく、溝を掘削するには更に費用がかかります。

高電圧のケーブルは掘り込みによる損傷や、作業者の怪我や死亡を防ぐために、導線をコンクリート内に設置する必要があります。高電圧線用の一般的な溝の深さは5~8フィート、幅は4フィートです。

地下ケーブルは、同じ量の電力を運ぶように設計された架空の導線よりもはるかに太く、重いです。 余分な太さと重量があるため、短区間のケーブルだけが電線管を通って敷設される必要があるため、電圧条件に応じて1,000~2,000フィートごとの接合と地下作業用のスペースが必要になります。

この写真は230kVの地中ケーブルと230kVの架空用導線の大きさを比較したものです。[11]地下ケーブルは架空用導線に比べて、1フィート当たりの重さが約10倍、径が約4倍あります。このようなケーブルを3相送電システムの各相に1本ずつ、計3本必要となります。地下設備の修理には追加の時間がかかるため、送電線を地中化する際には、他の3本のケーブルの内1本が故障しても三相電力を維持させる為に、4本目のケーブルを同時に設置されている場合も多々あります。

地下送電線の故障の発見と修理には、一般的に架空送電線よりも多くの時間がかかります。 送電線は低電圧の配電線よりもはるかに多くの顧客に影響を与えるため、地下送電線で問題が発生すると、配電フィーダー線の場合よりも長期の停電が発生することになります。さらに、いくつかの研究では、地下送電線の寿命は架空送電線よりも短い可能性があることが示されているため、将来の交換コストは地下施設の方が高くなる可能性があります。

送電線を埋設しても、電磁場(EMF)は除去されません。架空送電線の直下の地上レベルよりも地中線の直上の地表レベルの方が磁場の強さが大きいことが試験で明らかになっています。

架空の高圧送電鉄塔や送電線の多くは、構造強度が高いため、低圧配電線よりも天候による被害を受けにくくなっています。また、高圧送電設備は高度があるため、倒木による被害を受けにくくなっています。 このように、送電線を地中化は、配電線の地中化に比べ風や倒木などの天候による被害を回避するメリットが少ないことが分かります。 [11]

2.既存の私営電力会社の送電設備の地中化による費用と料金の推定

既存の架空送電設備を地下化するためのコストを見積もるために、1991年の委員会地下化調査のコストデータをインフレも考慮に入れて推定しました。1991年の調査に基づき、138kV送電線を地下化するための1マイル当たりのコストは、1990年には約280万ドルでした。

1マイル当たり280万ドルの見積もりは、既存の138kV架空送電設備の撤去と交換のための費用でした。 見積もりには、以下の費用区分が含まれていました。

(a)企画・許可

(b)既存設備の撤去作業

(c)新たな地下送電設備

(d)新たな地下設備を設置するための人員

(e)設備の撤去及び設置のためのトラックやその他機材

(f)将来的に使用する可能性のある既存の架空設備に対する与信

(g)将来的に使用できない設備の処分

これらの代表的なコストがすべての架空送電線を地中化するためのものであると仮定し、私営電力会社のすべての架空送電設備を地下化するための総コストは、表3に示すように、インフレを考慮した単純な係数を用いて見積もられています。

私営電力会社の合計顧客に対する無電柱化コストの平均的な料金影響を見積もるために、以下の手順を使用しました。まず、5つの私営電力会社の資本構造を用いて、規制評価手数料および州税・連邦税をグロスアップ(手数料と税の合計)した加重平均投資収益率(ROR : Rate Of Return)を導出しました。 これらの計算結果を表 4 に示します。 表 4 の 12.04%のグロスアップされた加重収益率を使用して、架空送電設備を地中化するために必要な電力会社の投資収益率に関連する収益条件を決定しました。 収益条件の計算のために想定した建設期間は 10 年です。さらに、すべての費用が 10 年間に渡って回収されると仮定しています。また、固定資産税の税率は1.86%を想定しています。

表 5 は、これらのコストが 5つの私営電力会社が全顧客に分散している場合の、年間の収益条件と顧客料金への影響をキロワット時ベースで推定したものです。10年間のインフレ率は年率 2.44%を想定しています。また、地下施設への総投資額の約0.7%のO&Mによるコスト削減が毎年発生すると想定しています。この削減率は、2003年のFERC Form 1で報告された架空と地中の配電設備のO&M費用を比較することに基づいています。地中送電設備のO&M費用データはFERC Form 1では個別に特定されていないため、配電データが使用されました。料金の影響は、基本料金と燃料費を含むすべての顧客電気事業費に関するものです。

3.既存の私営電力会社の送電設備の地中化に必要な人員

架空送電設備を地中化するために必要な工期は、土壌の種類、ケーブルの太さや重さ、地中化の種類(直接埋設、コンクリート製のボックスに収納など)、内部点検設備(編注:日本でいう特殊部?)の数など、多くの要因に左右されます。

ノースカロライナ州で実施された地中化の研究では、配電設備の地中化のための1マイルあたりの工数が、農村部では1,458から都市部では9,500に及ぶことが報告されている[14]。 送電線の変換に必要な1マイルあたりの工数を同じと仮定し、中間値の1マイルあたり5,000工数を想定すると、私営電力会社が所持している14,383マイルの架空送電線を無電柱化するには、約7,200万工数が必要となります。この変換が10年間で行われた場合、年間720万工数が必要となります。これには約3,600人の従業員が必要であり、各従業員が年間2,000時間働いたと仮定した場合の数字です。

B.既存の私営電力会社の配電設備の地中化にかかる費用の推定

配電網は、大容量電力システムから各家庭、商業用、工業用の最終用途の顧客に電力を供給しています。このように、配電線と機器は、消費者に電力を分配する州のすべての道路、大通り、および高速道路に浸透しています。この遍在性のため、配電施設は、主要なハリケーンや嵐に伴う風、木、雷、洪水の被害に対して最も影響を受けやすいです。

通常、私営電力会社の配電システムは、2.4kV~35kVの電圧で運転されています。 これらの電圧は、住宅および商業用の顧客にサービスを提供するために、電気を提供する段階で120/240ボルトに段階的に下げられています。産業用の顧客は、内部機器を通して、送電段階の高電圧でサービスを受けるのが一般的です。

2003年末現在、フロリダ州の私営電力会社は、約115,961マイルの一次配電線を所有しています。 この推定値は、1991年の調査で報告されたマイル数と2000年のFPSCスタッフによる1999年のマイル数データに基づいています。1999年以降の年間成長率は、1990年から1999年までの平均成長率と同じと仮定しています。5つの私営電力会社の全配電設備の簿価を合わせた2003年度の簿価は約70億ドルです。

フロリダ州の既存の架空配電施設を地中化するコストの見積もりを作成するにあたり、いくつかの情報源が考慮されました。最初の情報源は、地中化に関する委員会の1991年の研究でまとめられたデータでした。このデータは、単純な上昇率に基づいて更新され、インフレのために調整された現在の推定値が得られました。次に検討された情報源は、Tampa電気会社がデイヴィス諸島の住民に提供した、既存の架空施設を地中化するための見積もりでした。3番目の情報源は、JEAが実施した最近の地中化調査です。これらは、対応する料金の影響と必要な人員とともに以下で議論されます。

1.既存の配電設備の地中化の費用に関する1991年の調査データの更新

架空配電を地中化するコストを見積もるために使用された方法の一つは、1991年に委員会の地中化調査で作成されたコストデータの更新に基づいていました。1991年の調査には、4つの住宅用の地中化事例と1つの商業用給電線地中化のコスト見積もりが含まれていました。 表6は、これらのケースに対応する総コストと顧客1人当たりのコストを列挙したものです。

この1991年にFPFCが行った調査による推定には次の費用も含まれています。

(a)企画・許可

(b)既存設備の撤去作業

(c)新たな地下配電設備

(d)新たな地下設備を設置するための人員

(e)設備の撤去及び設置のためのトラックやその他機材

(f)将来的に使用する可能性のある既存の架空設備に対する与信

(g)将来的に使用できない設備の処分

上記の 5つの検討事例が現在の人口動態にどのように対応しているかは不明であるため、低密度分譲地の場合と、住宅向けの都市型住宅フィーダーの場合、商業向けの都市型幹線フィーダーの場合の地中化コストを更新することに重点を置きました。表6から、低密度分譲地の場合の顧客単価は、高密度分譲地の場合のコストをやや誇張しており、都市型住宅用フィーダーの場合のコストは、農村型住宅用フィーダーの場合のコストを大幅に過小評価していることがわかりました。表7、表8、表9の更新された見積もりは、1990年から2003年までのGDPデフレーターの変化率を用いて1991年に算出されたコストを単純に上昇させたものです。表7は低密度分譲地の場合、表8は都市型住宅用フィーダーの場合、表9は幹線都市型フィーダーの場合の見積り更新を示しています。

私営電力会社が所有する住宅用および商業用の顧客のために架空サービスを地中化するための総コストを見積もるためには、現在架空サービスを提供している顧客の割合を見積もる必要があります。架空設備が現在サービスを提供している顧客の正確な割合は知られていません。架空設備と地下設備の比率を評価するためには、時間をかけた調査が必要となると思われます。PSC スタッフの非公式な資料請求に基づき、私営電力会社から提供された情報に基づくと、2003 年には、全顧客の約 47%が架空サービスを利用していました。

表 7 は、2003 年の低密度分譲地の場合の更新された変換コストは、住宅顧客 1 人当たり 2,475 ドルと見積もられていることを示しています。この2,475ドルを顧客1人当たりのコストの代表として使用して、表7は、現在、住宅顧客の約47%が架空施設によってサービスを提供されていると仮定して、架空施設によってサービスを提供されているすべての既存の住宅顧客を地下に転換するための総コストの見積もりを作成しています。これらの仮定では、総コストの見積もりは67億ドルです。このコスト見積もりには、表8で展開している変電所から住宅顧客の敷地付近までの給電線の地中化のコストは含まれていません。

表8は、2003年に更新された都市部の住宅用フィーダーの変換コストは、住宅の顧客1人当たり11,288ドルと見積もられていることを示しています。この11,288ドルを顧客1人当たりのコストの代表として使用して、表8は、既存のすべての住宅用フィーダーを地中化するための総コストの見積もりを作成しています。この推定値は、変電所から顧客の敷地付近までのすべてのフィーダーが現在架空であることを前提としています。これらの仮定では、総コストの見積もりは655億ドルとなります。

表9は、2003年に更新された都市型幹線フィーダーの変換コストは、商業顧客1人当たり36,737ドルと見積もられていることを示しています。36,737ドルを顧客あたりのコストの代表として使用して、表9は、既存のすべての幹線都市型フィーダーを地中化するための総コストの見積もりを作成しています。データがないため、分析では、商業顧客の47%が架空施設によって供給されていると仮定しているが、これは表7で以前に仮定したのと同じ割合です。これらの仮定では、総コストの見積もりは124億ドルです。

1991年のFPSC調査で作成されたコストの場合と同様に、表7、8、9のコスト見積もりには、支柱の撤去に関連するコストや、メーターソケット、サービスパネル、内部配線の改造に必要なコストは含まれていません。

これらの費用試算には、既存の架空設備の地中化のみが計算されています。将来の架空施設を架空ではなく地下に設置するための費用は見積もられていません。また、電話やケーブルテレビなど、共同使用の電柱や独自の架空電柱に頼ることが多い他のユーティリティサービスの架空設備を地中化するためのコストも、地中化コストの見積もりには含まれていません。

2.デイヴィス島無電柱化計画

8 年以上も前から、デイヴィス諸島の無電柱化の実現可能性を検討することに、地域社会の大きな関心が寄せられてきました。このコミュニティの関心の結果として、地中化のコストと利益の段階的な分析を行うために無電柱化対策本部が結成されました。無電柱化対策本部のメンバーには、デイヴィス諸島市民協会、タンパ市、南フロリダ大学(USF)工学部、Tampa電気会社、ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications)が含まれています。

USFは1999年7月31日に分析の第一段階を完了しました。第一段階の結果は、1991年のFPSCの地中化調査で収集されたデータに上昇率を適用して得られました。また、USFは、IOU平均コストではなく、タンパ電気会社に特有のコストを使用しました。

第二段階は2002年に完了し、Tampa電気会社は詳細な変換コストの開発を支援しました。タンパ電気会社は、タンパベイの島のコミュニティにある3,000人の顧客プロジェクトのために、デイヴィス諸島の住民に、電気接続あたり3,200ドルの地中化見積もりを提供しました。デイヴィス諸島無電柱化対策本部の努力は現在進行中です。

3,200ドルの見積もりには、道路の表面、歩道、低木、芝生、または地中化作業によって乱された他の財産を交換するための費用は含まれていません。さらに、この見積もりには、支柱の撤去に関連する費用や、メーターソケット、サービスパネル、内部配線、または顧客施設を現行のコード条件に適合させるために必要なその他の費用は含まれていません。

3.2004年にJEAが行った調査結果

JEAの調査は、JEAのサービスエリア内のいくつかの地域からの既存の架空電気設備の地中化の要請に応えたものです。調査は、合計327戸の住宅を有する5つの特定の住宅地域に焦点を当てました。

2004年4月にJEAのCOOがJEA理事会に提出したプレゼンテーションで得られた情報によると、JEAの配電設備の約40%が現在地下にあります。2004年11月には、既存の架空配電設備を地下化するための費用の見積もりがJEA理事会に提示されました。地中化計画には、主に2つの費用が含まれていて(1)JEAが所有する権利道内の配電設備の地中化、(2)顧客所有のサービスの地中化です。

第一のものには、既存の架空システムを撤去し、地下の導管とケーブルを設置し、特定のエリアに新たな架空の一次および二次蹴込み柱(rizer pole)を設置するために必要なすべての作業が含まれています。無電柱化計画の第二には、私有地内でのトレンチング、サービスエントランスの変更や内部配線に関連する費用など、JEAが所有する権利道を超えて発生するすべての費用が含まれています。

JEAのスタッフは、特定の地域、顧客の参加率、サービスが単相か三相かに応じて、一軒あたりの変換コストを3,103ドルから7,080ドルと見積もっています。5つの地域を合わせた顧客一人当たりの平均コストは、3,649ドルから4,761ドルと見積もられています。

4.既存の私営電力会社所有配電設備を地中化する場合の費用と料金への影響の推定

表 10 は、変換コストが(1)家庭用顧客と(2)5つのIOUの全顧客に分散された場合の、kWh ベースでの収益条件と料金への影響をまとめたものです。表 10 に示されている収益条件は、前節の地中送電設備のコストに関するセクションで使用したものと同じ前提条件(収益率、固定資産税率、インフレ率、O&M コスト削減率)に基づいています。

表 10 は、地中化コストが住宅用の顧客のみに分散している場合、料金への影響は 141.5%であることを示しています。コストがすべての顧客が消費したキロワット時に分散している場合、料金への影響は81.1%です。これらの料金影響は、基本料金と燃料を含むすべての顧客コストを参照したものです。

5.既存の私営電力会社の配電設備の地中化に必要な人員

全ての既存の架空配電を地中化するために必要な工数は、都市の範囲、交通の流れ、回路が単相か三相か、地役権を行使できるか、地元の地形と地質によって異なります。その結果、地域の条件は、地中化計画の各部門において工数条件に影響を与えます。

ノースカロライナ州が実施した2004年の研究[14]では、1マイル当たりの工数は、農村部では1,458から都市部では9,500までの範囲であると報告されています。フロリダの私営電力会社は、通常ほとんどが都市部にサービスを提供している為、この範囲の上限を元に既存の私営電力会社所有の配電設備を地中化するのに必要な工数を推定しています。この過程では、私営電力会社の既存の75,642マイルの架空配電設備を地中化するのに年あたり約7億1900もの工数が必要となり、これが10年間で行われた場合、年間7190万の工数が必要となります。これには、各従業員が年間2000時間働いたと仮定して約35950人の従業員が必要となります。

C.その他地中化によって影響を受ける設備

他にも電話やケーブルテレビなど架空設備を利用した様々なサービスがあります。これらの事業は、電気事業者が設置した電柱を共有し、共同使用契約または同意に基づいて賃料(料金)を支払う場合が多いです。表11は、表中の各社から報告されている共同使用電柱と別所有電柱の数を示したものです。

電気事業者が共同使用電柱を地中に置く場合、電話会社やケーブルテレビ会社は、その設備をどうするか決めなければなりません。設備特有の種類(銅やファイバーなど)や国家電気安全コード(NESC : National Electric Safety Code)の条件によっては、これらの設備を電気と同じ溝に設置できない可能性があります。電話会社やケーブルテレビ会社が所有する電柱に設置されている線路は、共同使用電柱とは別のタイムスケジュールで地中化される可能性があります。

電柱を共有しているケーブルテレビや電話などの公益事業者が、その設備を地中に設置しなければ、電柱の費用を全額負担しなければならず、そうなるとこれらのサービスの顧客の料金が増加しますし、景観上にも問題が残ります。

公益事業者、自治体、その他の通行権の所有者は、これらの資産を慎重に管理し、工事費用を最小限に抑えるとともに、偶発的な掘削事故を防止しなければなりません。例えば水道の本管が切断された場合、深刻な洪水が発生する可能性があります。また、地下ガスパイプラインが損傷した場合、大規模な爆発が起こる可能性があります。

Ⅴ.無電柱化のための財政的選択肢

架空設備を地中化するための資金調達の選択肢に関して答えられなければならない2つの基本的な質問があります。(1)誰が地中化のために支払い責任を負うべきか、(2)資金調達コスト及び合理的な資本利益率を含めて、支払いはどのように回収されるべきかということです。州の公益事業委員会などが実施した利用可能な研究結果に基づいて、地中化のために支払うための以下の方法が検討されます。以下にリストアップされている選択肢のいくつかは、料金支払い者間の公平性の問題を提起しています。特に自らの設備の地中化のために既に支払い済みの支払者では、特定の選択肢の中にはほかの支払者の設備の地中化の費用も支払わなければならない可能性があります。

A.電気事業者による資金提供

初期費用は、全ての顧客(住宅・商業・工業)に適用される高額な料金によって回収されます。この方法の利点は、管理コストが比較的低いことですが、欠点は地中線の利益を享受している人(都市部の住民等)と、あまり恩恵を受けていない人(農村部の住民等)との相互補助金を伴う可能性があるという点にあります。産業界を含めいくつかの顧客の中には地中化の景観的利益に高い価値を置いていません。この方法は、低所得世帯の家計に大きな影響を与えるため、逆進性を考慮に入れなければなりません。

B.電気事業者向け補助金

州/地方料金は、公共事業である政府の地中化事業の費用を賄うために一定期間、補助金として拠出することが認められています。この方法の利点は、公共料金にほとんど影響を与えないことですが、欠点は資金調達のために長期間必要となることです。この方法はカリフォルニア州で過去30年間使用されてきた方法で、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC : California Public Utilities Commission)は公益事業者に対し、郡が地中化事業に使用するために歳入の1~2%を確保するように求めています。群はその後、資金の対象となる地域を定める条例を制定しなければなりません。

C.物件所有者による資金提供

市又は郡政府に対して支払いは無利息で1年間、利子付きで5年間以上の支払い、又は有資格の高齢者の財産を売却されるまで支払いを延期できる後払いの選択肢など一定期間で行われます。物件所有者が資金を提供する選択肢の利点は、支払う人と利益を得る人の間で細かな調整をできる点にあります。一方すべての分譲地を地中化する前に、物件ごとの所有者に変換した後の費用負担について同意を得る必要があります。

D.民間企業による資金調達

1998年にオーストラリアのワーキンググループによって実施された研究によると、特殊目的金融事業体(SPFV : Special Purpose Finance Vehicle)は民間で地中化に資金を提供する目的に設立される可能性があります。SPFVの株主には、地方自治体、公益事業者、コミュニティグループ、金融投資家など、様々な利害関係者が含まれる可能性があります。収入は、一部を不動産所有者から、一部を公益事業者から電力料金に割り増しする形で徴収するハイブリッド型の料金体系で得られるかもしれません。特別な税制上の優遇措置やそのほかの規制上の優遇措置が必要となるでしょう。この方法の欠点はこのような事業体の設立自体が非常に複雑かつコストが嵩む可能性があることです。

E.納税者による資金提供

一般税は公共事業や財産所有者のみに課されるのではなく、地方又は州レベルで適用されます。例えば、州は特別な地中化基金を創設し、公共事業料金からの資金を基金として拠出することができます。納税者と公益事業の顧客は、このような基金への自発的な拠出を認めることもできます。この選択肢は、納税者が住んでいる地域の地中化のタイミングに応じて、一部の人が他の人よりも大きな利益を受け取ることができてしまうという欠点が存在します。

F.特別課税地区

ノースカロライナ州のデア郡(Dare County)は、地区内の電力線を地中化するための資金調達と支出を目的とした1つ以上の公益事業地区の創設を認可する地方法(NC Session Law 1999-127)の制定に成功しました。郡委員会は、公益事業地区の境界を定義し、どの自治体からでも地区に参加できるようにしました。郡委員会は、地区内の住宅用電気サービスに月1ドル、商業用サービスの月5ドルを上限とする税金を課すことができます。電気事業者は税金を徴収し、徴収業務の報酬として数%を得ることができます。税の収益は、地区内の電気事業者の地中化のために使用されています。しかし、税金が何年も徴収されていても地中化の費用を賄うには十分ではないのではないかという懸念が表明されています。

G.連邦政府による資金提供

州運輸省は、対象となる高速道路が建設されている場合、地中化のために連邦政府の資金を使用しています。21世紀の交通公平法(Transportation Equity Act)に基づく連邦交通強化計画では、地域社会に造園・景観美化・歴史的景観保護などのカテゴリーに基づき、電力ケーブル等を埋設又は移設のための資金を申請できます。連邦地域開発ブロック交付金もまた、公共事業の移転計画に資金を提供するために使用されてきました。連邦緊急事態管理庁(FEMA : the Federal Emergency Management Agency)はその危機緩和補助金計画を通して、資格を満たすプロジェクトに資金を提供しています。

Ⅵ.地中化に代わる架空設備の強靭化

ハリケーンや暴風による架空送配電システムへの影響を軽減するために、公共事業者が実施する可能性のある対策、例えば、メンテナンスの改善、木々の伐採(道路の拡幅も含む)、風荷重基準の引き上げ、及び洪水対策の強化など、これらを総称して「強靭化」と呼んでいます。このような措置はそれぞれ費用対効果が高いかどうかを判断するための具体的な研究が必要になると思われます。

A.変電所の設備・メンテナンス・ループ切り替えの向上

電力会社は、変電設備のメンテナンス行程を強化又は加速するだけでなく、変電設備の近代化を検討してもよいでしょう。例えばDominion Virginia Powerは、多数のメンテナンスを必要とする古いアナログ機器から、遠隔監視機能を備えた新しいデジタル機器を設置し、変電所自動化の取り組みを行ったことが報告されています。さらに、2つの異なる変電所からの回路が地理的な場所にサービスを提供する「ループスキーム(loop schemes)」に多額の投資を行っています。これによって、ループで電力を受けている他の顧客への電力を維持しながら、問題発生時には最小限の顧客のみを分離することができます。

B.木々の剪定や植生管理

2004年に襲来したハリケーンの結果、Florida Power & Light Company(FPL)とProgress Energy Florida,Inc.(PEFI)は、暴風雨の復旧のため支出の補填を求めてFPFCに嘆願書を提出しました。これらの請願に対処するために、それぞれ明細ナンバー041291EIと041272EIが設けられています。これらの訴訟で請求されたハリケーン被害による費用はそれぞれ8.9億ドル、3.7億ドルと見積もられています。公聴会は、FPLが4月20日、21日、22日、PEFIが3月30日、31日、4月1日に予定されています。これらの公聴会では、FPFCは各社の暴風雨対策費用の慎重さや、樹木の剪定を含む電気系統の維持管理の在り方などを徹底的に検証します。

FPSCは、FPLのような私営電力会社の剪定作業を定期的かつ継続的に監視しています。フロリダ州行政法第25条の6.0455項に基づき、フロリダ州の私営電力会社は、毎年FPSCに配電サービス信頼性報告書を提出することが義務付けられています。この年次データと複数年分のデータの傾向を分析し、継続的な見直しが必要な分野を特定します。精査される分野には、植生管理、電圧基準の遵守、停電の原因、顧客からの苦情などが含まれます。

また、2004年9月、FPSCは、5つの私営電力会社すべてについて、配電と送電の両方の機能を対象としたサービス品質管理の見直しを開始しました。このレビューでは、信頼性とサービスの質に影響を与える現在の電力会社の管理方法について、木の伐採方法を含む包括的な報告書を提出する予定です。このレビューは現在、2005年に完了する予定です。

フロリダ州法366.04(6)(b)に従い、フロリダの電力会社は全米電気安全コード(NESC)の遵守を義務付けられています。NESC は、他の多くの項目の中でも特に、通行権の明確化について規定しています。トリムサイクルを含むユーティリティツリーの刈り込み作業は、NESCに準拠するように設計されています。しかし、NESCには、樹木の刈り込み作業に関する具体的な基準はなく、単に樹木の手足やその他の植生を線路から遠ざけることが記載されているだけです。また、ほとんどの都市では、管轄区域内の樹木の伐採や除去を管理する条例が制定されています。公共施設の樹木の剪定作業と地方自治体の要求事項との間で、より良い調整を行う必要があるかもしれません。

C.風圧荷重に対する建設基準の引き上げ

NESCは、24,25,26節で架空構造物の構造等級、強度条件、風荷重条件が議論されています。FPSCは1986年以降に建設された送電・配電施設の安全性を管轄しています。NESCの条件が変更された場合、変更は新規施設にのみ適用されます。追加調査が必要な分野の一つとして、現行の公益事業用風圧荷重基準を現在の住宅用条件と同等のものにすべきかどうかが挙げられます。

D.洪水対策の強化

変電所やその他の公共施設が建設され、使用される前に、氾濫原の歴史を慎重に調査しなければなりません。既存の不動産や施設の浸水経験の見直す必要があります。変電所のほとんどの設備は、地上から 2 フィート以上の高さに設置されていますが、場合によっては、そのような設備をさらに高くしたり、ある程度の防水を検討したりすることで費用対効果を上げられる場合があります。

そうしないと、変電所やその他の施設への道路が、避難や気象条件(倒木、洪水など)のために通行不能になる可能性があります。変電所およびその周辺地域は、通電している変電所機器に風で飛ばされたり、流されたりする可能性のある物体がないか調べなければなりません。

Ⅶ.その他の研究や報告、州の基準など

地中化の費用と利益に関して、州の公益事業委員会、調査会社、および他の国によって実施された利用可能な研究のレビューは有益です。例外なく、既存の架空配電線を地中化するためのコストは、すべての研究において、典型的な架空設置のコストを大幅に上回ると判断されました。

一般的に、研究はまた、電力会社の地中化はより大きな信頼性を提供するが、これらの信頼性の向上は、修理時間の増加によって相殺されることを示しています。言い換えれば、配電線が地下に設置されていれば、消費者が経験する停電の回数は少なくなりますが、停電時間は一般的に長く続くといわれています。

レビューされた研究のうち、地中化の費用対効果が高いとの結論に達したのは1件だけでした。南フロリダ大学の工学部は、デイヴィス諸島市民協会の要請で、1999年に報告書を作成しましたが、これには地下化の費用対効果の認識に貢献した不動産価値の予想される増加が含まれていました。

研究は、それらの結論に到達するために、様々な分析と方法論を使用しました。労務費や資本コストのような定量的なデータの使用は慣例的です。例えば、将来の計画コストを予測するのに使用されうる数値を、ラインを埋めるための1マイルあたりの既知のドルの量に使用することは困難です。しかし、研究はまた、顧客の認識、地中設備の景観上な利点、および天候の予測不可能な性質のような定性的なデータを考慮しなければなりませんでした。

検討された研究および報告書の簡単な概要は、以下に表示します。各州がどのようにして公共事業の地中化に支払うことを選択したかについての情報を提示するために、電気公共事業の地中化に関する既存の州の規制のいくつかも要約されています。

A.研究や報告

1.Edison Electric Instituteによる報告

最も総合的な報告書の1つは、2004年1月に出版された地中化に関する以前に完了した研究のエジソン電気研究所の要約です。EEI(Edison Electric Institute)の調査結果のいくつかは次のとおりです。1)架空送電線を埋設すると、架空送電線を設置する費用の約10倍の費用がかかること。2) 地中送電システムでは停電回数こそ少ないですが、停電時間が長く続くこと。3) 既存の架空送電線を埋設することによる信頼性向上のメリットは不確実であることを考慮すると、ほとんどの場合高額なコストを正当化するには十分ではないように見えます。

EEIの報告書の最も興味深い特徴の一つは、架空送電線の埋設費用を支援するために地域社会や地方自治体が採用した革新的なプログラムの要約です。これらには、特別評価地域、地中化地区、州や地方自治体のイニシアチブが挙げられます。

地域社会が「特別評価区域」を設定すると、加入者は、地中化プロジェクトに資金を提供するために毎月の電気料気に加え追加料金を支払います。これらの地域は、通常、その地域の不動産所有者の過半数の請願によって設立されます。例えば、マサチューセッツ州のCommonwealth Electric社は、1970年以来、Nantucketのような歴史的なコミュニティでの地中化に資金を提供するために特別評価制を使用してきました。

カリフォルニア州とオレゴン州で採用されているもう一つの方法は、「地中化地区」の設立です。カリフォルニア州公益事業委員会は、特別な地中化基金のために、電線ベースの公益事業からの収入の何%かを徴収しています。これらの資金を受け取るためには、地域社会が地中化地区を形成し、その地区の不動産所有者の少なくとも70%の承認を得なければなりません。不動産所有者はまた、家を新しい地中システムに接続するために必要な500ドルから2,000ドルの費用を支払うことに同意しなければなりません。

私営のHawaii Electric社は、既存の近隣の配電線を地中化するための費用の3分の1までを支払うプログラムを持っています。Hawaii Electric社は、公共事業委員会の承認を条件に、地域社会または政府が主導する地中化計画の一部を担う形で施工しています。

もう一つの投私営公益事業会社であるSouth Carolina Electric and Gas(SCE&G)は、サウスカロライナ公共サービス委員会によって承認された特別な地中化プログラムを設立しました。このプログラムでは、地方自治体が同額を拠出することに同意した場合、SCE&Gは地方自治体に支払う義務のある総収入の0.5%を拠出します。拠出された資金は地中化特別基金の一部となります。

2.North Carolina Utilities Commissionによる報告

大規模な氷の嵐が200万人以上の電力会社の顧客に未曾有の停電を引き起こした後、ノースカロライナ公益事業委員会は、州内の3つの私営公益事業者へ無電柱化の実現可能性を調査しました。2003年に発表された報告書の中で、地中化には約410億ドルの費用がかかり、これは公益事業の現在の配電資産の正味簿価の約6倍に相当し、法外な費用がかかると結論付けました。さらに、地中化を完了するまでには約25年かかるとしています。

最終的な資本コストだけで、平均的な住宅顧客の月々の電気料金が125%以上増加させる影響を及ぼします。また特に都市部では、架空設備に対し4倍以上の維持費がかかる直接埋設手法に関連した運用・保守コストの増加によっても料金に影響を与えることになります。地中化は、公共サービスの提供コストに加えて、個々の顧客、自治体、および他の公共事業に追加料金を課すことになります。これらのコストは定量化されていませんが、相当なものになる可能性があると結論付けています。

地下システムは、通常の気象条件の下では、架空システムよりも信頼性が高いですが、損傷(例えば、掘り込みや水の浸入)に対して不浸透性があるわけではありません。地下システムの修理時間は、損傷が発生した場合、架空システムよりも 60%近く長いとされています。したがって、公益事業者が架空配電システムの大規模な地中化を引き受けることを推奨していません。

(1)各地域の架空設備の中で、停電回数や顧客の総停止時間などの指標に基づき、信頼性に問題がある架空設備を繰り返し特定し、(2)それらの施設の信頼性を向上させるために地中化が費用対効果の高い選択肢であるかどうかを判断し、そうである場合には、(3)それらの施設を地中化するための計画を、停電履歴やサービスの信頼性への影響を考慮しながら、満遍なく効率的な方法で策定することを勧告しました。

また、報告書では、(1)追加収益により費用を賄える場合や、建設支援金の拠出によりコスト差が回収される場合には、新規設備を地下に設置すること、(2)既存の架空設備を地下設備に置き換える場合には、地中化の費用を要求者が負担すること、(3)負荷密度や物理的輻輳など、架空フィーダーからのサービスが現実的でない都市部では、地中化をすること、という現状の慣例を継続することを勧告しています。

3.Virginia State Corporation Commissionによる調査

バージニア州法人委員会(VSCC : Virginia State Corporation Commission)は、2005年1月に地中化についての調査結果を発表しました。バージニア州総会は、2003年9月のハリケーンイザベル(Isabel)による既存の架空送電線への被害を受けて、VSCCに調査を実施するよう指示していました。この調査では、経済的な観点から見て、包括的な州内地中化の取り組みは合理的とは言えないと結論付けています。

VSCCの研究では、地中化の主な利点は、美観と全体的な信頼性の向上であることが判明しました。地中の電気回路は、ほとんどの樹木の剪定の必要性や電柱との車両衝突をなくし、電気事故の危険性を減らし、大規模な暴風雨の後の大規模な復旧作業の必要性をほぼなくすことができます。

しかし、VSCCの報告書によると、架空の配電線の大規模な地中化は、地方自治体や州政府、公益事業者、そして最終的には消費者にとって非常に高価で、価格、税金、または光熱費の形で直接または間接的にコストを支払うことになります。

バージニア州には、私営電力会社や電気協同組合が所有する96,830マイルの架空配電線があり、310万人の顧客にサービスを提供しています。これらの架空配電設備を地中化するためのコストは、電力会社によって800億ドル以上と見積もられています。これは、1マイルの架空線あたり約80万ドル、顧客1人あたりの平均コスト27,000ドルに相当します。現在の既存の架空配電線を地中化するための電力会社の総投資額が800億ドルであると仮定すると、顧客1人当たりの年間平準化された収益条件は、設備の耐用年数にわたって年間約3,000ドルとなります。しかし、VSCCは、電力会社が提供するコスト見積もりは、詳細なエンジニアリング研究とは対照的に単純化された仮定に基づいていることに留意しています。

この調査のためにVSCCが受け取ったパブリックコメントでは、住宅の顧客は圧倒的に地中化を支持していました。しかし、その後の質問では、これらの同じ顧客は一般的に、工事に十分な資金を支払う意思がないと答えました。

VSCCは、大規模な地中化計画は完了するまでに何十年もかかる可能性があり、他の既存の地下公共事業との衝突による複雑な問題が発生すると結論付けました。公共事業のための新たな地役権を獲得するには、多大な時間、不動産所有者との交渉、および潜在的な法的手続きが必要となる可能性があります。

調査の準備において、VSCC は、地方自治体、公益事業会社、業界団体、消費者団体を含む利害関係者の参加を募りました。このグループの一般的な合意として、地中への電線の敷設に関する決定は、地方レベルで最も効果的に実施することができるというものでした。VSCCは、地方自治体が個々のプロジェクトのメリットを判断し、住民の価値観や支払い意思に基づいて判断できると結論づけました。地方自治体は、そのようなプロジェクトの最も適切な資金調達方法を決定し、公益事業者間の調整し、税制優遇を提供するための最良の立場にあると思われます。

4.Maryland Task Forceによる調査

1969年以来、メリーランド州公共サービス委員会の決定に基づき、すべての新しい低圧電線および電話線は、公衆衛生および安全のため地中に埋設されてきました。公益事業者は、新規の低圧電線・電話配電線を地中に埋設する費用を料金として回収することが認められています。

2003年、メリーランド州の地中化対策本部は、立法府から、架空線を地中化する費用を削減する方法を調査するように命じられました[17]。メリーランド州では、1999年の悪天候に関連した停電に対応するために、同様の調査が実施されました。これらの初期の研究では、既存の架空送電線を地中化するコストを1マイルあたり90万ドル、つまり架空送電線を敷設するコストの5~10倍と見積もっていました。さらに、架空送電線が50年であるのに対し、地下ケーブルの耐用年数は約30年です。2000年に作成された報告書では、結論の一つとして、架空線は信頼性が高く、安価な方法でサービスを提供しているということが挙げられています[18]。この点を説明するために提示された例は、地中線の代わりに架空送電線を建設することで自由になる多額の資本の内10パーセントのリターンがあるとすれば、その収益だけで、実質的に架空送電線の維持費を継続的に賄えるそうです。

地中化対策本部はこれらの研究を見直し、コストと便益に関する知見は先行研究と実質的には変わらないと報告しました。また地中化対策本部は、3つの提言を行いました。

(1)司法長官は、建設支援拠出金(グロスアップ税 : gross-up tax)の適用可能性について内国歳入庁(Internal Revenue Service)に意見を求め、明確化すべきです。この税金は、地中化工事の費用の約 27.4%を占めており、この税金の適用可能性については意見が分かれています。主に景観のために施工した地中化工事は、税金の対象となります。しかし、公共の安全のために実施される地下工事は、資本の追加とは定義されておらず、建設補助金とは定義されていないため、グロスアップ税の対象にはならないはずです。

(2) メリーランド州計画局は、地中化に関心のある地方自治体や団体を支援するための清算機関(clearinghouse)としての役割を果たすべきです。現在の法律と規制は、地中化計画を実施するための枠組みを提供していますが、地中化計画を完了するための最も効果的で低コストの方法についての包括的なアドバイスを得るために、関心のある当事者が行ける場所はありません。

(3) 地方自治体、州・地方の高速道路当局、メリーランド州計画局、架空設備の所有者は、建設・修繕計画の中で地中化の機会を選び、すべての関係者は地中化の調整のために緊密に連携すべきです。これにより、他の理由で施工が既に計画されている場合に、1つのトレンチに複数の配線を設置できるようにすれば、効率性を高め、プロジェクト全体のコストを削減することができます。

5.Kentucky Utilitiesの報告をKentucky Public Service Commissionへ

この報告書では、主に2003年2月に発生した激しい氷の嵐の後の復旧活動を取り上げています。地中化については簡単にしか言及されていませんが、樹木や氷の負荷による停電のリスクを最小限に抑えるためだけに配電システム全体を地中に移動させることは、ケンタッキー電力にとって現実的ではなく、財政的にも不可能であることを指摘しています。報告書では、配電システムのいかなる部分であっても、架空から地下への移動について決定を下す前に、広範なコスト/便益分析を実施することを推奨しています。

6.University of South Florida工学科の報告

1999 年、デイヴィス諸島市民協会、南フロリダ大学、フロリダ州地域社会局との共同作業の結果、地下配電の利点を評価する報告書が発行されました。この報告書では、地中化は、外部コスト、運営コスト、メンテナンスコストが低く、不動産価値の上昇が建設コストの上昇を相殺すると予想されるため、費用対効果が高いと結論づけています。報告書はまた、地中化を実施するための実際のコストを決定するために工学的な設計研究を推奨しています。

7.Hawaii Legislative Reference Bureauの報告をHawaii Legislatureへ(1999)

ハワイ立法府は、公共事業の地中化に関する政策と問題点を研究するよう立法参考局(Legislative Reference Bureau)に依頼しました。同局の報告書は、無形コストの測定、コストと資源の配分、情報収集プロセスからの組み込みの偏りを減らすことについて、知る必要があると結論づけました。しかし、報告書は、以下の2つの提言をしています。

(1) ハワイ公共事業委員会(HPUC : Hawaii Public Utility Commission)は、公共事業者に地中化のための資金を一定期間、郡が利用できる形のプログラムを確立するように指示されました。その期間内に郡が地中化地区を設立する条例を可決した場合、郡は利用可能な資金の一部を使用する資格があります。HPUCは、プログラムの適格性と資金の利用可能性を管理する規則と基準を設定し、地中化プロジェクトが民有財産に関連している場合は、消費者に要求する金額を設定できます。

(2) 地中化基金を設立することができ、この基金は、HPUCによって管理され、その資金は、立法上の充当、確定申告の小切手からの任意拠出、公共料金の切り上げ、およびHPUCによって認可または指示された 公共事業によって預け入れられることになります。郡は、地中化を主導する権限を与えられる可能性があり、HPUCが地中化基金から特別改良区に費用を配分する明確な権限を確立することで支援される可能性があります。

8.オーストラリア連邦の地中化ワーキンググループの報告

最も綿密な報告書の一つであり、コストと便益の両方を詳細に定量化しています。定量化可能な便益のレベルは、総コストの約10%と見積もられています。国のコストモデルでは、大きく分けて2つのコスト要素が用いられています。(1)必要なインフラの量(ケーブルの長さ、地上変圧器の数など)、(2)ネットワークを地下に敷設するための材料費と人件費です。モデルで特定されたコスト分類は、掘削コスト、設置および材料コスト、個々の施設へのサービス導入のコスト、復旧コスト、変圧器コスト、街灯コスト、および既存のインフラの解体および撤去の正味コストです。メリットは、以下のカテゴリーについて計算されました:樹木の伐採の回避、修理とメンテナンスの節約、停電による収益損失の減少、電気ロスの減少、架空設備の資本改善費用の回避、自動車事故の減少。規制、法律、資金調達の問題に関する章に加えて、報告書には管理ガイドが含まれています。このガイドには、行われる必要がある決定事項が記載されており、地中化プログラムの実施のための枠組みが提供されています。この報告書は1998年に議会に提出されました。

B.地中化についての州の規則

1.California Public Utilities Commission [24-25]

1967年から、カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)は、新規電気サービス接続を地下に設置することを義務付け、通信回線を含む既存の架空線を地中化するための段階的なプログラムに資金を提供してきました。規則20では、規則20A、規則20B、または規則20Cの規定が適用されるかどうかに応じて、地中化プロジェクトの資金調達は、電気料金、料金資金と地方税収入の組み合わせ、または民間資金によって行われます。

規則20Aのプロジェクトは、設備が地中化される場所に住んでいる人だけでなく、すべての電気料金の支払い者によって支払われます。市と郡の政府は、住民も含め、これらのプロジェクトを選択します。公共料金の収益を通じた資金調達を受けるためには、プロジェクトは、以下の基準を1つ以上満たすことで、影響を受ける地域の顧客だけでなく、一般市民に利益をもたらすものでなければなりません。

1.架空施設が異常に集中している場所。

2.交通量の多い場所。

3.その場所は、地方自治体の一般計画において、幹線道路または主要な収集道路として認められていること。

4.架空設備は、市民、レクリエーション、または景勝地内に位置または通過していなければならないこと。

CPUC の計算式を使用して、公益事業者は、過去の配分額、地域社会の全顧客に対する架空設備がサービスを提供する顧客の割合、および地域の顧客が全公益事業者の顧客が占める割合に基づいて、地中化のための資金を地域社会に配分しています。

地方自治体は、これらの計算式をプロジェクトの配分に使用することで、優先順位をつけたり、スケジュールを立てたりすることができます。資金には限りがあるため、地方自治体は、地中化プロジェクトを開始する前に割り当てを待って積み立てなければなりません。

ある地域が規則20Aの対象外である場合、または地方自治体が規則20Aの割り当てプロセスを利用できない場合、または利用しないことを選択した場合、規則20Bでは、料金による資金を使って地中化プロジェクトに補助金を出すことができます。補助金には、同等の架空電気システムのコストに相当する金額が含まれており、通常、地中化プロジェクトの総コストの約20%に加えて、既存の架空システムを撤去するためのコストが含まれています(総コストの5%から20%の場合もあります)。残りの費用は、地方自治体または近隣の特別評価地区を通じて資金提供されます。規則20Bのプロジェクトは、公道や道路沿い、または申請組織と公益事業者が相互に合意したその他の場所に設置する必要があります。

規則20Cは、規則20Aまたは規則20Bのいずれも適用されない場合には、資産所有者が電線および機器の地中化の費用を支払うことを可能にします。

2年間の研究と開発の後、2002年6月にCPUCは、規則20の下での地中化計画の予定、設計、建設を改善するために作られた変更の第一段階を承認しました。新しい規則20は、地方自治体の柔軟性を高めることを目的としています。

1.規則20Aの対象となる場所の種類に「幹線道路(Arterial)」と「コレクター(Collector)」を追加すること。

2.適切な公共事業の資本と人員が利用可能な場合、地方自治体による配分レベルの抵当権設定、または「積み立て(Saving-up)」を最大5年間認めること。

3.地方自治体が規則20Bプロジェクトの初期技術および設計調査を実施するために、地方自治体が借り入れることができる「元手金」として割り当ての段階的使用を認めます。計画段階が完了してから2年半以内にプロジェクトが承認されなかった場合、市または郡は90日以内に元手金を返済できます。

4.架空施設の撤去費用は公益事業者が負担します。

また、新しい規則20は、公益事業者、地方自治体、住民の間の調整とコミュニケーションを改善することを目的としています。地方自治体の要請があれば、公益事業者は政府関係者や住民と会合を開き、承認された規則20プロジェクトの状況を説明します。各公益事業会社は、一般市民のために規則20に関する質問に答えるための単一の窓口を持つことが義務付けられています。

規則20の変更の第2段階は現在検討中です。トピックには、競争入札、優遇措置のメカニズム、架空施設がこれ以上建設されない場所の設定、電気通信地中化プロジェクトのコスト回収などが含まれます。

2.State of Washington[26]

架空の電気通信設備の地中化は、1967 年にワシントン州立法府により、公共の安全と福祉の公益に実質的に有益であると宣言されました。すべての市または町は、そのような設備が市または町によって所有または運営されている場合には、既存の架空の電気通信設備を地中化する権限を持っています。市や町が施設を所有していない場合は、電力会社と契約して架空の設備を地中化する権限があります。地中化の費用の一部または全額を支払う資金を提供するために、すべての市または町は、地方改善地区を創設し、地中化の恩恵を受ける不動産に対して特別評価額を賦課し、徴収する権限を与えられました。

3.New Mexico Public Regulation Commission[27]

地域社会からの電力サービスの地中化要請が増加しているため、ニューメキシコ州最大の電気・天然ガス供給者であるパブリック・サービス・カンパニー・オブ・ニューメキシコ(PNM)は、ニューメキシコ州公共規制委員会に地中化料金の策定を要請しました。ニューメキシコ州公共規制委員会は2002年に、電力線を地中に敷設するための追加コストを、そのようなプロジェクトから直接利益を得る地域社会に結びつける料金表を承認しました。

この料金表の下では、送電線の地中化を要求する地域社会は、架空送電線の2倍から10倍にもなる追加コストを支払うことが求められます。地下に送電線を設置することを希望する市や郡の政府は、追加費用自体を支払うか、または毎月の請求書に追加された項目を通じて、その管轄内の顧客によって支払わせることができます。追加費用は、総地中化プロジェクト費用と典型的な架空送電線の費用との間の差額であり、7年を超えない期間にわたって収集されます。この料金表はまた、提案された地中電力線のためのコスト、ルート、建設計画について市または郡の政府による記入を可能にします。

References

1.Electric Power Risk Assessment, President Clinton White House’s National Security Telecommunications Advisory Committee Information Assurance Task Force, 1997.

2.Great River Energy Web Site: www.greatriverenergy.com.

3.HowStuffWorks Web Site: www.howstuffworks.com.

4.Occupational Safety and Health Administration (OSHA) Web Site: www.osha.gov.

5.University of Missouri – Rolla Web Site: www.ece.umr.edu.

6.Cox News Service (Original Source: National Weather Service / National Hurricane Center).

7.Ft. Lauderdale Sun – Sentinel, October 4, 2004.

8.FPSC Order No. 23126-A, Docket No. 890833-EU, Investigation into the cost-effectiveness of undergrounding electric utility lines, July 16, 1990.

9.Report on Cost-Effectiveness of Underground Electric Distribution Facilities (three volumes plus report to Florida Legislature), Florida Public Service Commission, December 1991.

10.FPSC Order No. PSC-92-0975-FOF-EU, Adoption of Rule 25-6.0115, F.A.C., Underground Electric Facility Costs, and Withdrawal of Amendments to Rule 25-6.078, F.A.C., Schedule of Charges, September 10, 1992.

11.Flint Energies Electric Cooperative web site: www.flintenergies.com.

12.We Energies Web Site: www.we-energies.com/educators/.

13.Out of Sight, Out of Mind? A study of the cost and benefit of undergrounding overhead powerlines. By Brad Johnson, for Edison Electric Institute – January 2004.

14.The Feasibility of Placing Electric Distribution Facilities Underground, Report of the Public Staff to the North Carolina Natural Disaster Preparedness Task Force – November 2003.

15.Report of the Virginia State Corporation Commission, Placement of Utility Distribution Lines Underground, January 7, 2005.

16.Task Force to Study Moving Overhead Utility Lines Underground, Report to Governor of Maryland – December 30, 2003.

17.Chapter 179 Acts of 2002 (Senate Bill 653).

18.Report to the Public Service Commission of Maryland on the Selective Undergrounding of Electric Transmission and Distribution Plant, February 14, 2000 – in response to Maryland Public Service Commission Order No. 75823.

19.February 2003 Ice Storm Assessment, Report to the Kentucky Public Service Commission by Kentucky Utilities Company, May 15, 2003.

20.A Citizen’s Initiative: Evaluating the Benefits of Underground Utility Distribution, Final Report by the University of South Florida College of Engineering, Submitted to Florida Department of Community Affairs, July 31, 1999.

21.Undergrounding Public Utility Lines, a report by the Legislative Reference Bureau to the Hawaii State Legislature, December 1999.

22.Putting Cables Underground by the Putting Cables Underground Working Group for the Commonwealth of Australia, November 24, 1998.

23.Overview of the Potential for Undergrounding the Electricity Networks in Europe, prepared for the DG TREN/European Commission by ICF Consulting Ltd, Final Report, February 28, 2003.

24.California Public Utilities Commission Resolution E-3767, June 27, 2002, page 1.

25.Southern California Edison, http://www.sce.com.

26.Chapter 35.96, Revised Code of Washington, The Electric and Communications Facilities – Conversion to Underground, 1967.

27.Public Service Company of New Mexico (PNM) News Release, February 26, 2002.

28.Gulf Power Company photograph.

29.Florida Department of Community Affairs, Division of Emergency Management photograph.

30.Florida Reliability Coordinating Council (FRCC) major transmission line map.