日本各地の重伝建地区の無電柱化状況
※この記事は2021年夏のインターン研修をした学生の企画のもとで進めました。以下、その報告をします。
8月31日(火)13:00~14:00
場所:WEB・Microsoft Teams
参加者:インターン生:上田帆乃佳ほか3名
井上事務局長、北村理事、塚田泰二
鹿島市 建設環境部 都市建設課 都市計画係 緒方様
※緒方様の他に同市の眞﨑様にも参加いただく。
以下、上田からの質問と頂いた回答をご紹介させて頂きます。回答は、緒方様と眞﨑様が答えて下さいました。
Q1 御市の無電柱化の計画に関して、ご説明いただくことは可能でしょうか。
・無電柱化された場所 メインの酒蔵通、590m
・事業期間 平成19年末~20年末
・方式 裏配線での移設
・事業主体 九州電電力、NTT、ケーブル鹿島、三つに分けて施工
・事業費 3,000万円
・補助金 国の街なみ環境整備事業を使って。補助金は予算の2分の1の1,500万円。
・今後の計画 今のところなし。電線共同溝方式の費用は残っていない。
Q2 無電柱化をしようとした理由や目的、経緯をお聞きしたいです。
・肥前浜宿の街なみ保全、環境保全。 伝建地区の選定が根源で、街なみ保全を手段とした。
Q3 無電柱化は街なみ保全以外では、防災面も重要かと思いますが、その点はいかがですか。
・肥前浜宿は、緊急輸送道路は、含まれていない。あくまで景観、街づくりの観点から。
Q4 提案から施行までの期間に市民の方との交渉で苦労した点はありますか。市民の方々は無電柱化をご存じでしたか。市民の方から反対意見はございましたか。
・街なみ環境整備事業は、地元の合意を得た上でないと進められない。事業計画は事前に公表している。
・地元のかたの合意を得ての上でのことなので交渉で苦労することはなかった。
・電柱移設の際、県の所有地で反対があったが、別の民地への移設で解決した。
※一件、用地交渉で、所有者が遠いので交渉に時間がかかったくらい。
・移設後のクレームは、個別で協議したので、特になかったと思う。
Q5 電線管理者との合意が難しいと聞くのですが、それに対して何かされたことがあれば教えていただきたいです。
・当時の担当者に聞いていないので、詳細は分からないが、特に聞いていない。
Q6 無電柱化を進めるにあたって、当初の計画とのギャップはありましたか。
・期間は少し伸びたが、それ以外は問題なかった。
Q7 無電柱化してからの住民、町全体への影響はいかがでしょうか。
・肥前浜宿では、地域おこしのイベントが始まったり、活性化されたように思う。
Q8 平成6年ごろから重伝建地区選定活動が始まり、18年に選定され、31年には国認定の街づくり、歴史的風致維持向上計画の選定を受けられました。そういった過程で地元での街づくりの活動は活発になりましたか。
・歴史的風致維持向上計画に関しては、今のところ特に影響ない。
・街なみの美化に関しては、重伝建地区の美化から始まり、酒蔵ツーリズムが始まって、観光客が来るようになり、観光客数が増えた。それに伴って街なみが整備された。
・酒蔵ツーリズムの観光客数の推移などの情報はコチラ👇
https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/hozonchiku/pdf/r1392257_101.pdf
・肥前浜宿についての情報はコチラ👇
https://www.city.saga-kashima.lg.jp/main/18546.html
Q9 無電柱化するにあたり、他の重伝建地区や無電柱化された自治体で参考にされたところはありますか。
・無電柱化に特化したことはないが、参考にしたことはある。漠然と参考にした程度。
Q10 千葉県香取市と平成24年にまちづくり協定と災害時相互応援協定を結んでいらっしゃいますが、香取市の重伝建地区から街なみ整備や無電柱化推進などを参考になさいましたか。
・特に参考にしていない。
Q11 緒方様は無電柱化をする1番のメリットは何だと考えていらっしゃいますか。
・景観性がものすごく上がる。
・無電柱化してよかったと思う。
Q12 これからの無電柱化に期待することや要望があれば。
・現状、電線共同溝工事が高いので、国庫補助率を拡充してほしい。国の補助が増えて予算が確保できたら整備を拡充したい。