新設電柱の抑制に向けた取組状況
(R4 第 2 回あり方推進委員会(1/30)の抜粋)
■新設電柱の抑制に向けた対応方策(R4.4公表)
○「無電柱化推進計画」では、「新設電柱を増やさない」が取り組み姿勢の1つ。
○ 関係省庁(国土交通省、資源エネルギー庁、総務省)で連携し、令和 3 年度の新設電柱調査結果を踏まえた対応方策をとりまとめ、4月 20 日に公表。
■新設電柱への対応方策(主なもの)
〇普及啓発
・自治体職員に向けたガイドラインの作成等(取組事例の横展開を含む)
〇優先度に応じた対応
・レジリエンスの観点から重要なルートについて、低コスト手法を活用しながら無電柱化を実施。
〇緊急輸送道路の被害拡大防止
・緊急輸送道路全線において新設電柱の占用制限措置を行うため、整備局より市町村へ措置の導入を促す。
・沿線民地において届出対象区域の導入を図る(直轄国道から優先的に導入)。
〇道路整備時の無電柱化
・同時整備の課題把握、自治体への趣旨の徹底を促す。
・郊外の緊急輸送道路等について、道路整備と同時に管路等を埋設する整備を推進する。
〇既設電柱の削減
・既設電柱の効率的配置による電柱の削減や、電力線と通信線の共架を推進する。
・無線基地局や病院等の重要施設への単線の供給ルート等を選定し、道路状況等に応じて、無電柱化を実施。
・緊急輸送道路については、電柱の更新時期や道路の拡販工事等に合わせた移設や電線共同溝による無電柱化を図る。
■緊急輸送道路における新設電柱の占用制限導入状況
○道路法第 37 条に基づく新設電柱の占用を禁止する占用制限の措置は、緊急輸送道路約 9.5 万 km のうち、全線での措置に至っていない都道府県・市町村で、現在、手続きを進めており、令和 4 年度末には約 9.3 万 km(約 98%)となる見込み。
○引き続き、全線での占用制限に向けて関係省庁の協力も得つつ、措置に至っていない都道府県・市区町村に占用制限の実施を促す。
■沿道民地における届出勧告制度の導入
○沿道民地からの工作物等の倒壊による道路閉塞を防止する仕組みとして、道路法改正(R3 年 9 月施行)により、沿道区域を設定し、当該区域内に届出対象区域を設定、区域内に電柱を設置する際は、道路管理者への届出、届出に対し、勧告できる「届出・勧告制度」を創設。
○直轄国道の中で、防災拠点とインターチェンジを結ぶ区間等重要な区間(8箇所)で、届出対象区域の設定の手続きを 10 月から開始。
■同時整備の推進のための手引きの改訂
○無電柱化法第 12 条※では、電線管理者は、道路事業や市街地開発事業等が実施される場合には、電柱又は電線を道路上において新たに設置しないよう規定。
※[無電柱化法第 12 条] 関係事業者は、社会資本整備重点計画法、都市計画法その他これらに類する事業が実施される場合には、電柱又は電線を道路上において新たに設置しないようにする(中略)
○このため、道路整備と同時に電線類の地中化を進めるよう令和元年度に「手引き」を作成し、道路局、都市局から、地方整備局、自治体に通知。
○その「手引き」について、運用状況等の把握を行った上で、「通知」方法の改善などの改訂に向けて関係者の調整を進めており、令和4年度中に改訂を行い、自治体等に周知する予定。
■自治体職員に向けたガイドラインの作成
○自治体における過去5年間の無電柱化の実施状況を見ると、約8割が無電柱化事業を実施したことがない状況。
○無電柱化の経験がない、または豊富でない市区町村の担当者向けに、「計画段階からの合意形成に関する参考図書」として「無電柱化事業における合意形成の進め方ガイド(案)」を令和4年4月に自治体へ周知するとともにホームページで公開。
〇無電柱化事業における合意形成の進め方ガイド(案)
http://www.nilim.go.jp/lab/dcg/img/guide7.pdf
■多様な整備手法の活用
○無電柱化を推進するためには、多様な事業手法が不可欠であり、現地の状況に応じて関係者が連携し、電線共同溝方式に加えて単独地中化方式などの様々な手法を活用し、より安価な手法にて整備していくことを基本として、適切な役割分担の下、地域の実情に応じ、以下の構造及び手法により実施。
① 無電柱化の構造
a)管路構造 ケーブルを収容する管路と分岐器等を収容する特殊部により地中化する方式。
b)小型ボックス構造 管路の代わりに小型化したボックス内に複数のケーブルを収容し埋設する方式。
c)直接埋設構造 ケーブルを地中に直接埋設する方式。
d)軒下配線 建物の軒等を活用して電線類の配線を行う方式。
e)裏配線 表通りの無電柱化を行うため、裏通り等へ電柱、電線等を移設する方式。
なお、地上機器の設置により、十分な歩道幅員の確保が困難である場合等には、地域の実情に応じて柱状型機器の活用も選択肢とする。
② 事業手法
a)電線共同溝方式 電線共同溝の整備等に関する特別措置法(平成 7 年法律第 39 号)に基づき、道路管理者が電線共同溝を整備し、電線管理者(二者以上)が電線、地上機器を整備する方式。
b)自治体管路方式 管路設備を地方公共団体が整備し、残りを電線管理者が整備する方式。
c)要請者負担方式 要請者が整備する方式。
d)単独地中化方式 電線管理者が整備する方式。
以上の事業手法により無電柱化を実施する場合の費用については、それぞれの整備主体の負担とする。ただし、軒下配線又は裏配線を道路事業の移設補償として行う場合は、道路管理者が負担する。また、無電柱化の目的に応じた関係者間の費用負担のあり方について具体化を図る。
■多様な整備手法の活用(事業手法の変遷)
○初期の頃は単独地中化事業が約半数を占めていたが、現在ではほとんどが道路管理者が実施する電線共同溝事業が中心になっている状況(上図参照)。
○今後は多様な整備手法での無電柱化を進める必要がある。
■相談受付体制の整備と対応状況(エネ庁資料)
• 無電柱化に関し、現場の関係者間の合意形成の円滑化を求める声を受けて、2022 年 4 月より、資源エネルギー庁に相談受付体制を整備。
• 当庁 HP を始め、東京ビックサイトでのセミナー、無電柱化を推進する市区町村長の会のメルマガ、NPO 法人等を通じ、相談受付体制の周知を実施。
• 現在までに複数の相談に対応しており、低コスト手法の導入拡大や、新たな低コスト手法の利用と規制緩和の可能性に向けた新たな調査の実施等につながっている。
■無電柱化に関する情報提供などの連絡・相談体制の整備
○ 無電柱化に関し、関係者間の合意形成の円滑化を求める関係者の声を受け、以下の新たな取組を講じる。
○ 資源エネルギー庁 HP と総務省 HP に無電柱化に関する相談受付を新たに設置するとともに、関係省庁等において同様の事例が把握された場合には、資源エネルギー庁や総務省に情報提供し、事実関係の把握と調整を行う体制を新たに整備する。
【相談受付先】
・総務省総合通信基盤局電気通信事業部事業政策課ブロードバンド整備推進室
メール:koudo@soumu.go.jp
・資源エネルギー庁】電力・ガス事業部電力基盤整備課
メール:bzl-mudentyu_electricity@meti.go.jp