「関東の富士見百景」景観論争で、なんと!マンション解体へ!

私たち日本人だけでなく、外国のかたにも親しまれている富士山。
東京都国立市の「富士見通り」沿いで7月に引き渡し予定だった10階建ての分譲マンションが急きょ解体されることになった。完成間近、購入者への引き渡し直前での決定だった。
このマンションは「富士見通り」と言われる、関東・富士見百景にも選ばれた通りで、周辺の住民から「富士山が見えなくなる」「日当たりが悪くなる」などと反対運動が起き、実際に完成が近づくと富士山が半分近く隠れてしまうことに。
とはいえ、建物の構造に問題はなく、条例や法令違反もなかった。事業者のハウスメーカーは「現況は景観に著しい影響があると言わざるを得ず、富士見通りからの眺望を優先するという判断に至り、本事業の中止を自主的に決定した」と発表した
国立市では約20年前にも、14階建てマンション建設への反対運動が起こり、周辺住民が高層階の撤去などを求めて不動産会社を訴える訴訟に発展。2006年、最高裁は住民らの訴えを退けたものの、「周辺住民が持つ景観利益は、法律上保護に値する」との初判断を示した。
今回のマンション建設でも、多くの住民が計画公表直後から反対の声を上げていた。 

 

黄色の矢印が今回建設されたマンション(報道記事より)

ただ、テレビの報道やネットニュースでみる写真にあるように、マンションの景観阻害以外に、道路の上を何本も横に伸びている電線のほうが明らかに富士山の景観を阻害しているのではないだろうか。
地元の住民や関係者は、あの電線・電柱は気にならないのだろうか。「電柱・電線があるのは当たり前」なので、それは仕方ないのだろうか。
電柱・電線は無くせるんです!
景観の意識を更に高めてほしいです。 

横道に入ると目立ってしまう電線(富士吉田市)

 

■コンビニを覆う黒い幕! 山梨県富士河口湖町の町道が一躍有名に! 

山梨県富士河口湖町の町道で、コンビニの建物越しに富士山を撮影しようと、外国人観光客らが交通量の多い道路を横断するなどの行為が後を絶たないことから、521日、富士山を見えなくする黒い幕が設置された。
山梨県富士河口湖町の中心部の町道はコンビニの建物の上に富士山が乗ったような写真が撮影できるとSNSで話題になったことから、多くの外国人観光客らが訪れている。
しかし、観光客が撮影のために交通量の多い道路を横断したり、私有地に無断で入ったりするなどの行為が後を絶たないことから、町は先月30日から歩道に沿って富士山を見えなくする黒い幕や、道路の横断を防ぐ柵を設置する工事を始めた。
21日は、午前8時ごろから黒い幕を張る工事が行われ、作業員たちは支柱に通した鉄製のワイヤーに長さ20メートル、高さ2.5メートルの幕を固定していました。
そして午前11時ごろ、幕の設置が終わり、歩道からは景色がはっきりと見えなくなった(NHKニュースより)。
都会の街なかで駐車場等がある広い空間から富士山をみたら、映える富士山の写真が見えると外国のかたは感じ、それがSNSで拡散されて、観光公害になって地元住民や店舗経営者はえらい迷惑だ
と言いたいのかもしれないが……。
もう少し深掘りしてみたら、映える風景がないということも言えるのかも 

 

■東京都の大規模噴火降灰対応指針について

最近、富士山の噴火が話題になっている。また30年以内の発生確率が7080%とされる南海トラフ巨大地震と連動して噴火する可能性が危惧されている。
東京都では202312月に大規模噴火降灰対応指針の中で7つの指針を定めている。
https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/_res/projects/default_project/_page_/001/027/928/3_2.pdf 

 専門家の話では、大量の灰が降ると、架線では大規模停電が発生する可能性が大きいとのこと。その上でも地中化は効果的である!  

 このように、富士山にまつわる無電柱化は、景観だけでなく、防災としても必須の課題である。T塚田)。