京都市の中心街、東洞院通から御池通をのぞむ

取材報告者 竹島 美咲
取材内容 「
ふるさと納税で無電柱化を進めよう

3月23日(水)13:00~14:00
実際に京都市役所に行き、京都市建設局 道路建設部 道路環境整備課 藤井 那保子様 、 岸田 康治 様に取材させていただきました。

Contents [show]

質疑応答

Q1. 無電柱化を使途としたふるさと納税を行っている自治体をご存じですか?

A1.芦屋市で行っているのは把握している。
自治体の無電柱化についての協議会では、ふるさと納税の話題はあまり出てこない。

Q2. ふるさと納税の使途に無電柱化推進のための項目を作るという提案について、ご意見を伺えないでしょうか?

A2.現在、建設局では、三条大橋の補修工事と東本願寺前の市民緑地整備に限定して、ふるさと納税で集まった資金を活用して進めている。
東本願寺前の市民緑地整備についてはこちらをご覧ください。https://www.city.kyoto.lg.jp/kensetu/page/0000284174.html

無電柱化事業では、国からの補助の他に、観光の振興を図る施策に充当可能な宿泊税を活用していることもあり、現段階では、ふるさと納税による寄付金を活用する優先度としては、高くないと考えている。

Q3. ふるさと納税で寄付されたお金の使い道に無電柱化を推進するための資金は含まれていますか?

A3. 含まれていない。

Q4. 京都の無電柱化は、市の財政事情から景観面での無電柱化が凍結という記事をみましたが、「無電柱化に特化したふるさと納税」を使途に加え、景観面での無電柱化を進めることができないでしょうか。

A4.市の財政は厳しい状況ではあるが、建設局では、無電柱化事業の他にも橋の老朽化修繕や災害防除対策など、多くの事業を進めていく必要があり、さらに市全体でみるとより多くの事業を展開している。無電柱化事業は緊急輸送道路など防災を目的とした路線は継続して実施することとしており、その中でも選択と集中して無電柱化を進めている。
そのため、優先すべき防災系の路線を差し置いて、景観への配慮を目的とした路線に限定して、ふるさと納税を集めて無電柱化を進めるのは難しいと考えている。

Q5. 景観面での無電柱化を見送りということですが、アフターコロナを見据えた政策として有効な政策かと思いますが、素人考えでの提案について現実の問題点などご意見をお伺いしたいです。

A5.Q4と同じ回答になります。

Q6. 地域住民との合意形成の円滑化を行うために「勉強会」などを行っていると書いていましたが、それを行っての効果はありましたか。

A6. 無電柱化の理解が深まった。
勉強会を行うことで無電柱化事業に対する一定の理解を得て、地上機器の設置における住民の協力が、スムーズになった部分もある。

Q7. 無電柱化をするにあたって市民の方から反対意見は出なかったでしょうか。

A7. 無電柱化を進めるにあたり、市民の方から御意見をいただくこともある(参考Q8、Q9)。

Q8. 反対意見があれば、具体的な内容を教えていただけないでしょうか。

A8. 地上機器の設置位置の問題 など
他には、観光地であれば、商売をされていない住民の中には景観が良くなることで、観光客が増え、生活環境の悪化の懸念もあり無電柱化を望んでいない方々もいる。

京都清水・八坂の塔

Q9. 無電柱化を進めるにあたって市民の意見を調査した資料があればお伺いしたい。

A9. 実際、計画を策定する際に実施した市民意見募集の結果では、反対意見よりも賛成意見の方が多い。
【賛成意見】
・美しい街並みを残す京都で無電柱化をもっと広めてほしい。
・観光客のためでなく、沿道住民にとってもメリットがあるものにしてもらいたい。
・観光都市京都として景観保全、再生はもちろんだが、今年の台風を見ても防災面からも無電柱化は必要と考える。

【反対意見】
・電柱も含めて景観と考えており、電柱を無くす必要は特にない。
・無電柱化に多額の費用をかける(税金を使う)のは反対である。

賛成意見:83件 反対意見:2件
詳しくはこちらをご覧ください。

<8E7396AF82CC8A46976C82CC8EE582C88CE488D38CA982C68CE488D38CA982C991CE82B782E9967B8E7382CC8D6C82A695FB20283229> (kyoto.lg.jp)

Q10. 無電柱化を進める上で苦労する点

A10. 地上機器の置き場所、住民との合意形成
無電柱化を進めるにあたって、まず地上機器をどこに置くかを決めないと設計が進まない。
地上機器の置き場所に関しては、公園などの公共地に置くなど工夫しているが、どうしても家や店の前に地上機器を置かざるを得ないこともあり、その場合、同意を得るのが難しい。
また、地下には色々な管があり、想定していなかったものが出てくることもあり、手戻りが生じることがある。

NPO無電柱ネット主催、京都先斗町・夜間工事視察会(2017年12月)

取材終わりに先斗町に行ってきました❕

先斗町歌舞練場

↑この中(看板下の格子柄の台)に地上機器が入っています。

先斗町たばこや

↑この中にも地上機器!

先斗町 井雪

↑この格子の中にも地上機器!

↑公園内にも沢山の地上機器が設置されていました。

先斗町通にある地上機器は、街並みに溶け込むように工夫されていて感銘を受けました。また、幅2m程の中で工事機器の進入が出来ず、ほとんどの作業を人力で行ったというのを知り、とても驚いたとともに先斗町の無電柱化についてもっと詳しく知りたいと思いました。

2022春 インターン生取材報告⑥ 芦屋市都市建設部 道路・公園課 三柴 哲也 様、 藤井 貴大様

2022春 インターン生取材報告⑦ 坂井市総合政策部 企画政策課 小玉 悠太郎 様