※この記事は当NPOに長期インターンシップとして所属している大阪商業大学の学生による取材記事となっております。
12月9日に二寧坂に、12日に三条通(いずれも京都市)に取材に行ってきました。

以下、質問と頂いた回答をご紹介させて頂きます。

二寧坂

古都に燃える会の島田耕園様にご回答頂きました。

日時:12月9日 11:00~12:00

Q1電線や電柱があって残念と感じられたことはありますか

二寧坂は観光客がたくさん来られる観光地である。電柱や電線があれば、地上から見上げた景色が、蜘蛛の巣が張り廻らされたような状態になり、景観や見通しが悪くなる。

Q2無電柱化はどのように決まったのですか

一念坂や二寧坂は、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建地区)に指定されている。地域として行政に要請した。

Q3二寧坂の工事はいつ行われましたか

約10年前、平成18年~20年の夜に工事が行われた。

Q4工事がされている際に困ったことはありましたか

担当者が変わることがあり物の見方が変わったりして、工事が順調に進まないこともあった。工事は主に夜中に行われたため、家がゆれることもあった。

また、工事のため通れないと思っている方も中には何人かいた。

Q5工事の際に反対意見があれば教えてください

無電柱化に賛成している人はいるが100%ではない。中には、「私たちには関係ない」などと言われる方もいたので、地域の理解が必要になる。いかに、無電柱化の専門知識を持っている人がどう広げるかが大切になる。

坂の上からの風景

Q6無電柱化がされる前とされる後とで何か変わったことはありますか

無電柱化がされる前も観光客が多い観光地区であった。しかし、電柱が無くなったことで道幅が広くなり、天に視界が広がり街は綺麗になった。
観光客や違う道の方にも綺麗と言われるようになり、すっきりとした街づくりをすることが出来た。また、現在中国では京都の街並みを再現したプロジェクトが進められており、二寧坂はそのモデルとして選ばれた。

Q7一念坂や二寧坂の景観維持のために、何か他に取り組まれていることはありますか

地域についてどうあるかについて、月に一度行政も含めた勉強会も行っている。無電柱化以外にも屋外の広告物、美化、道路や石畳の維持にも目を見張っている。

Q8これから無電柱化に取り組まれる地域に一言お願いします

二寧坂は景観保全と観光の目的で無電柱化をした。無電柱化をして、良かったと言われるような無電柱化をしなければならない。
観光の為や災害の為など、地域によって無電柱化をする目的は違うので、地域に応じた無電柱化を進めること。また進める際には、地域住民一人だけで動くのではなく、地域全員で動いていく必要がある。
地域に応じた目的で、地域利益と共に都市全域に対して融和できるものを良い形で作ってほしい。

最後に

青空が広がる二寧坂

無電柱化に至るまでには、地域の方の理解や協力が必要とたくさん大変なことがありますが、無電柱化がされたことでより街全体が明るくなる感じがします。写真を撮った際も綺麗な街並みの二寧坂をそのまま撮ることができました。島田様、取材のためにお時間を取って頂いたこと、真摯に回答して頂いたこと有難うございました。

三条通

SACRA(旧不動貯蓄銀行京都支店)の前に張り巡らされた電線

京の三条まちづくり協議会の森本浩行様・西村祐一様にご回答頂きました。

日時:12月12日10:00~11:00

Q1電線や電柱があって残念と感じられたことはありますか

毎日三条通を通るたびに思う。「三条通界わい景観整備地区」に指定されています。なので、電線や電柱など無くせるものはなくしたい。

Q2京都市役所の方や電線管理者の方とお話をされた際にご苦労されたことはありますか

苦労は特にない。しかし、担当者が変わることがあり、どこまで三条通のことを理解していただいているか。

Q3無電柱化はどのような経緯で進められたのですか

多くの近代洋風建築があり、京都の中でも独特の景観を作り出している。なので、これからの将来を見据え、景観を維持し、向上させることを目的とした。

◇1995年6月

環境整備について協議を始める
電線地中化・無電柱化の要望は何度も挙がる

◆2014年7月

電線地中化・無電柱化についての説明

◇2014年11月

京都市へ要望書提出

2016年4月

「電線地中化・無電柱化」へ向けて説明会

◇2016年8月

寺町~新町(0.9km)に地上機器27基必要
京都市と関西電力の方が地上機器について一緒に説明にまわる(14件訪問)

2019年3月

計画路線に挙げられる

Q4工事期間について教えて頂けますか

2019年 予備設計
2020年 詳細設計
2021年 工事開始

Q5近隣の住民の方の許可を得る際にご苦労されたことはありますか

三条通には、地上機器を34基置く予定である。どこに地上機器を置くのか考えている。すべての地上機器を民地に置くことは難しい。なので、民地だけではなく道路上の設置も考えている。

Q6無電柱化がされると決まった際に、反対意見があれば教えてください

地上機器の設置のことを考えなければ、ほぼすべての方が賛成されている。でも中には、民地では置く場所が限られているので、無電柱化は無理なので、他の違うことに取り組んだほうが良いと言われる方もいる。

Q7勉強会などはどれくらいの頻度でされたのですか

当時(2014)年の頃は、勉強会を開催したり、二寧坂を見に行ったりしていて、参加された方も多かった。現在も年に数回程度開催している。

道路は綺麗に整備されているが、まだ電柱や電線がある

Q8三条通の景観維持や街づくりのために、何か他に取り組まれていることはありますか

まちカフェやお神輿まつり、まち歩きツアーなどといった地域で交流する活動も多くある。

最後に

無電柱化がされる前の場所に初めて取材をさせて頂き、現状の抱えている問題点(地上機器をどこに置くのかなど)について話を聞いてとても勉強になりました。無電柱化がされた後の三条通も訪れてみたいものです。森本様・西村様、取材のためにお時間を取って頂いたこと、真摯に回答して頂いたこと有難うございました。

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