「電柱は危険だと思いますか?」「電柱は邪魔だと思いますか?」
この二つの質問は似ているようで実は少し違います。
今回、私は「無電柱化」をテーマに、神戸の街を実際に歩きながら街の様子を観察して自分なりに考察をしたり、さらに街行く人へのインタビューを行うフィールドワークを企画しました。
まず、無電柱化とは、道路上から電柱や電線をなくし、地中に埋設するなどする取り組みです。
これにより、街の景観がよくなったり、歩道を広く使えるようになり、通行時の安全性が高まります。
また、災害時に電柱が倒れたり電線が切れたりする被害を減らし、通行や救助活動がスムーズに行えます。
このような要因から無電柱化が推奨されます。
なぜ街を歩いて調査するのか?
今回の企画では、インターネット検索や資料を調べるだけではなく、実際に神戸の街を歩いて調査することを大切にしました。
今回の調査では、「三宮・元町周辺」と「旧居留地」の二つのエリアを対象にしました。
実際に街を歩きながら、歩道の広さや人通り、電柱の位置や街の景観などを観察して、それぞれの場所を五つ星で評価するなど自分なりに街を分析しました。
同じ神戸の街でも三宮や元町は人通りが多く、店舗や飲食店など集まっている一方で、旧居留地は歴史的な建物が多く、整った街並みが印象的でした。
実際に電柱に注目して歩いてみると、「ここでは電柱が気になる」「ここは歩道が広く気にならない」「そもそも電柱がない」など場所によって電柱の見え方が違うことに気付きました。
次にインタビューをすると意外な結果が……
そこで、「三宮・元町周辺」と「旧居留地」で街行く人に7つの質問を行いました。
その中でも特に注目したかった質問が
「電柱は危険だと思いますか?」
「電柱は邪魔だと思いますか?」
という二つの質問です。
一見似ているように思える2つの質問ですが、回答を集めてみると非常に興味深い違いが見えてきました。
電柱を危険と感じる人:約9割
一方で
電柱を邪魔だと感じる人:約3割
という結果になりました。
つまり、「電柱は危険だ」と思う人は多いのに、「電柱は邪魔だ」と思う人は少ないのです!
なぜ?このような違いが生まれるのでしょうか
「危険」と「邪魔」は同じではない?
考察すると、電柱を見る視点やとらえ方に違いがあるのでは…
例えば、危険と思うケース
自然災害によって電柱が倒れる→危険のイメージがしやすい
電柱の陰から人が急に飛び出してくる→危険のイメージがしやすい
事故の原因になる
実際にそういった場面を経験したり、ニュースを見たりして電柱は災害時に危険かもしれないと考える人は多いのでは
一方で、普段の生活では電柱があっても避けて歩くことが出来る。そのため、実際に大きな不便を感じなければ「邪魔」とまでは感じないのかも
また、日本では昔から電柱や電線がある街並みが当たり前となっているため
そもそも、普通に生活していれば電柱の存在を意識する機会が少ない
〇実際に危険と答えた人の意見
→小さいときによそ見してぶつかった
→歩道が狭く自転車とぶつかりそうになった
→電柱の陰から急に人が現れて危険だった
などの意見が
〇邪魔ではない人の意見
→特に気にならない
→そもそも電柱を気にしながら生活していない
→昔から電柱があるものとして生活している
ほかにも様々な意見がありました
企画の工夫
今回の企画は、質問内容だけではなくアンケートする場所も工夫しました。
「三宮・元町周辺」と「旧居留地」という特徴の異なるエリアで調査することで、場所によって電柱に対する意識に違いがあるのかを比較できるようにしました。
実際の街の環境とそこを利用する人の意識を合わせることでより具体的に無電柱化について考えられると思いました。
実際に街を歩いて、街の人の声を聴いてその結果から考える
それが今回の企画の工夫です。
街を歩くことで見えてきた無電柱化への意識。そこから見えてきた電柱への意識の違いがこれからの無電柱化を考える一つのきっかけになればと思います。
(志村)
